女性への暴力防止法、議会での審議はじまる
2012年03月07日付 Hurriyet 紙

これは国会における、女性にとって歴史的な日である。女性の保護および女性への暴力防止に関する法案が国会本会議で審議された。273の 女性団体「暴力撲滅プラットフォーム」は法案で行われたと考えられる変更に不満を示している。この不満を国会にいる全政党の国会議員に書簡で伝えた。公正発展党の提案で法案の第4条が変更され、働く女性にも2ヶ月間、保育援助金が受給できる権利が与えられることとなった。法案審議の際に発言した民族主義者行動党テキルダー県選出のビュレント・ベレン議員は、ベフザット・Ç.という番組がトルコの家族の土台を脅かしていると述べ、シャーヒン家族社会政策大臣 にこれに関して何らかの対策がとられるのかどうかと質問した。

書簡の内容は以下の通り:

「『暴力撲滅のための女性プラットフォーム』を結成した237の女性団体とプラットフォームの要求を支持する全ての女性プラットフォームおよび女性として、私たちは改めて明らかにしなければいけないことがあります。それは何ヶ月も議論された暴力に関する法の骨子が省庁や首相官邸もしくは国会で、ある部屋 からほかの部屋に移るときでさえ改悪を被り、非常に不愉快に感じているということです。

ファトマ・シャーヒン家族社会政策大臣が国会男女機会均等委員会(KEFEK)で約束し、示した取り組みにも関わらず、国会法務委員会での審議でもその骨子に改悪がなされたということです。

目下、法の名称が女性ではなく家族の保護というふうに変更されたことに;暴力を受けた女性たちがわずか1週間24 時間の援助と保護を受けられることと、その原則に基づいて機能する中央の機関、役所、職員らが女性団体の要求に対し変わっていないことに;法案の中身にシェルターや性的暴力危機管理センターが設置が含まれていないことに;暴力や殺人事件の裁判への女性団体の介入が認められないことに反対です。これとともに、私たちの他の要求が明らかにされないことを受け、この法について女性団体と合意に至ったでは件では(改変の)手を加えず、そして国会本会議で以下の件と私たちの他の要求を始めとして、法を目的に見合った状況に持っていくことに限定した変更が行われることを要求します。

1日に少なくとも5人の女性が生きる権利、働く権利、結婚する権利、離婚する権利、お洒落をする権利などといった権利を行使したため殺される世界の唯一の国であるトルコにおいて、これに関し不満を持つ全ての男女に、この件における私たちの要求への支持を呼び掛けます。」

■行政機関トップと警察・治安維持関係者への権限

法案の第10条第3項は公正発展党の提案で変更された。第4項と第5項も本文から削除された。これにより、対処措置決定を証拠もしくは文書を求めずに裁判所が決定を下すという条項は、行政機関トップや警察・治安維持関係者に関しても適用された。

第10条第3項は次のように変更された:
「裁判所が保護措置決定を下すのに暴力の行使に関連する証拠や記録は調査されない。暴力阻止決定は遅延なく下される。こうした決定を要することは、この法の目的の実現を危険にさらす形で遅延することはない。」

本日分の審議は第11条の可決後、終了した。法案の残り部分の審議は明日続けられる。

■働く女性に2カ月350リラの保育援助金

公正発展党会派の提案によって第3条で変更が行われた。これによれば、暴力にさらされ、この法の中で保護措置決定を下された女性に関して保育援助金の支給期間が2ヶ月から4ヶ月に引き上げられた。働いていない女性に支給することを見越した保育援助金は、暴力を受け、保護の対象とされた働く女性にも支給するという条項が入れられた。ただ働く女性には保育援助金の支給期間は2ヶ月とされた。

暴力を受けた女性に支給される保育援助金は実質最低賃金の半額とされた。これにより、暴力を受け、働いていない女性は、申請登録により4ヶ月に渡って350リラの援助金を受給できる。働く女性は2ヶ月に渡って350リラの援助金を受給できる。

■シャーヒン大臣が法案を説明

ファトマ・シャーヒン家族社会政策大臣は女性に対するどんな差別も阻止し、女性への暴力を人権侵害とみなすと述べ、新たな時代において新たな法によって根本的な対策を講じると説明した。

暴力との戦いは今日始まったのではないと述べるシャーヒン大臣は、「個人的な問題は個人的な範疇のままにしておくべきだという考え方によって、私たちは三猿を 演じていました。つまり見ざる、聞かざる、言わざるというものの考え方でした。その考え方を社会的発展につれ捨て去られなければいけないと信じています」と 述べた。

しかしこのプロセスにおいては、アイシェ・パシャルさんのような女性は保護できないと打ち明けたシャーヒン大臣は、法には理由が必要だと理解していると述べた。

シャーヒン大臣は、法によって、女性のみならず被害者を受ける男性も保護されるとし、迅速な保護の点で行政機関トップに権限が与えられると述べた。

女性の保護において、職場が変更権を提示すること、女性が望むならば、男性にも精神的支援が与えられること、またこの支援金は省庁によって保障されると述べた。

シャーヒン大臣は、男性が武器を保持しているならば、武器を没収する方向性で調整をおこなうと述べ、また「この人物が仕事上武器を携帯する警察・治安維持関係者があっても、私たちはその人物の武器を没収するでしょう」と述べた。

シャーヒン大臣はまた、裁判所の6ヶ月月間の命令に従わない人物には、追加命令として3日間から10日間の強制的な禁錮刑が科されると説明した。扶養システムの簡略化や、働く女性への保育金援助の支給に言及したシャーヒン大臣は、これらの適用はそれほど簡単にはいかず、これには大幅な準備期間が必要だということに注意を促した。また関係省庁として、改めてあらゆるプラットフォームで法の周知徹底のため、大きなキャンペーンを調整するだろうと強調した。

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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:25757 )