モロッコ:干ばつで小麦の輸入増加を余儀なくされる
2012年03月09日付 al-Hayat 紙

■モロッコ:干ばつで小麦の輸入増加を余儀なくされる

2012年03月09日『アル=ハヤート』

【ラバト:ムハンマド・アッ=シャルキー】

モロッコ農業水産省は、近々小麦110万トンの輸入の国際入札を発表する。これは今季に農業生産に悪影響を与えた一連の干ばつと霜の結果、主要穀物生産の低下の見込みに対処するためである。

情報筋によれば、モロッコはこの先数か月の基本的な需要を満たすために硬質・軟質小麦類を200万~300万トン必要としている。この見通しが出されたのは、(国内の)生産が、1,000万トン消費する国内市場の需要を満たさないと予想されることが明らかになった後でのことだった。先週モロッコ政府は、来る5月の終わりまでの期間、輸入小麦への関税を停止して、小麦の輸入事業を開始することへの議会の合意を取り付けた。先の小麦輸入事業は昨年(2011年)末に終了しており、これにより小麦粉を製粉するための需要が確保された。

2011年モロッコ政府は、13億ドル小麦を輸入した。これは2010年に比べて50%増である。干ばつのためにモロッコの食糧輸入額が記録的水準に上昇することが見込まれている。食糧輸入額の大幅な増加により、貿易赤字が拡大するだろう。食糧輸入額の大幅増加は、モロッコの貿易収支に悪影響を与える地域・国際情勢、とりわけエネルギー価格と農産品価格の上昇と同時に発生している。昨年の貿易赤字は200億ドル以上に上ると見込まれている。貿易赤字は、小麦と原油価格の高騰で今年はさらに増えることが予想される。その結果として、モロッコの外貨準備高が影響を受けるだろう。2010年終わりに1,970億ディルハムあったモロッコの備蓄金は、昨年終わりには1,670億ディルハムに減少した。

政府は、収入を失った農民等の補償の新たな枠組みを検討している。情報筋の話によれば、小麦と大麦の収穫の半分が失われたが、干ばつ発生前の小麦・大麦の作付面積は500万ヘクタールだった。しかし、農業省筋は、ダムに豊富にある水により、被害の軽減が可能で、聖ラマダーン月のある、来る夏期の需要増加に備え、主要穀物、野菜、果物、果樹の需要を満たすことを保証するとの見解である。

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( 翻訳者:岡裕一朗 )
( 記事ID:25759 )