エジプト:銀行の各県支店でイラク補償手形の支払い、間もなく開始
2012年03月14日付 Al-Ahram 紙
ファトゥヒー・フィクリー労働大臣とファールーク・アル=ウクダ中央銀行総裁
■銀行の各県支店で黄色い為替手形の所有者への支払い、間もなく開始
2012年03月13日『アル=アハラーム』
【ムハンマド・アル=アジュルーディー】
一昨日(土曜11日)、エジプトとイラクの外務大臣の間で協定の調印が完了し、ついに、サッダーム・フセイン時代および1990年から続く危機や戦争の時期にイラクで犠牲となった637,000人以上のエジプト国民への補償問題が幕をおろした。
労働省は、イラクから支払われた黄色い為替手形の振出しを開始するために、その支払いを受ける権利のある者に関するデータの準備のために手配や準備を始めた。また、イラク側の情報では、この為替手形は4億800万ドル、つまり25億エジプトポンドに相当する金額となる。
この件に関してエジプト労働省は、イラクからエジプト中央銀行へ送金が完了次第、近日中に手形の振出しをする計画の承認の準備をしている。ファトゥヒー・フィクリー労働大臣とファールーク・アル=ウクダ中央銀行総裁の委任に基づいて、明後日の木曜日(15日)、為替振出に関する規則や手順を設定するための会議が開催される見込みである。
労働・移住省の責任者の情報筋は、給付金の支払いはカイロに留まらず、すべての県レベルで行われるであろうと述べた。また、また、支払いには為替手形の原本が必要となり、紛失した場合は、送金の事実を証明できるパスポートの提示が求められる。それに加えて、為替手形振出しを要求する者のIDカードが必要になる。受取人が死亡している場合は相続証明書を添付することになる。また、すべての受給に関する規則や手順は、近日中に労働・移住省のウェブサイトに公開されることが決まっている。
同情報筋は、為替手形の振出のために4つの銀行を指定したと明らかにした。すなわち、支払い事業は、ナショナル・バンク・オブ・エジプト(NBE)とミスル銀行の2行を通して、これらの銀行のエジプト全県に展開しているすべての支店のレベルで行われることになっており、アレキサンドリア銀行とアラブ・アフリカ銀行の一部の支店でも支払いを行うことができる。
また、同情報筋は、イラクのラーフィダイン銀行からエジプト・ラーフィダイン銀行宛ての為替手形の所有者には、ミスル銀行を通して支払いがなされる予定であると明らかにした。また、イラクのラシード銀行からエジプト・ラーフィダイン銀行宛ての為替手形の所有者には、ナショナル・バンク・オブ・エジプトから支払いが行われる予定である。また、アレキサンドリア銀行及びアラブ・アフリカ銀行宛てに送金を受けた者については、エジプトの同銀行を通して振出しが行われる予定だ。
イラクの内閣は、イラク財務省が黄色い為替手形によってエジプト人に対し、今回決定された給付金を支出することを定めた閣議決定を既に発表している。これは、イラク政府がエジプト人労働者に対してこのような負債を清算することを切望しているからである。エジプト人労働力の流入は、一時期イラクに対する経済封鎖のために停止していたが、イラク政府は、イラクと世界の国々との間の経済関係に信頼性を付与するために、残りの給付金を支払うよう活動を続けていくことを切望している。
この案件は、エジプト側が為替手形の利子受取にこだわったため、昨年の6月から保留の状態となっていた。しかし、最近では外務省側からこの案件に決着をつける動きがみられていた。
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( 翻訳者:柏田千秋 )
( 記事ID:25794 )