ドキュメンタリー「アルメニア人不法就労者たち」テレビ放映
2012年03月18日付 Radikal 紙

エルヴァン・クヴルジュム監督はドキュメンタリー「アルメニア人不法就労者たち」で生き抜くための闘いを映し出している。「国境無きニュース・トルコ」の番組用に撮影されたドキュメンタリーは今日11時25分と22時25分からTRTトルコで放送される。

これは、一人あたりの一ヶ月の収入が48ドルのアルメニアからお金を稼ぐためにトルコへ来た、生活の苦しさと故郷を想う気持ちに板挟みになったアルメニア人不法就労者の物語だ…。エルヴァン・クヴルジュム監督は5年前にクムカプで不法就労をしているアルメニスタン人と知り合うと、イスタンブルでトルコ語 が分からないアルメニア人不法就労者であるということがどのような苦難なのか考え、ドキュメンタリー「アルメニア人不法就労者たち」を作った…。

■アルメニア人不法就労者たちに語るよう説得するのは難しかったでしょうね...

本物のドキュメンタリーを作るためには恐怖や不信感の壁を越えて私に人生を語ってもらう必要がありました。伝える手段がカメラである私たちドキュメンタリー制作者の仕事は紙メディアよりも難しいのです。隣に座っておしゃべりすると何でも話してくれる人も、カメラを見ると、特に不法就労者なら、すぐに黙ってしまう。私は話したいと思った人たちと、私たちがどんなドキュメンタリーを作りたいのかを語り合いました。チームとして私たちの自由や平等、兄弟愛を大切 にする考え方と彼らの文化やアイデンティティに対する敬意を示したことで、多くの人から信頼を勝ち取りました。

■撮影のためにアルメニア教会や、アルメニア人の子供たちが教育を受けている学校へも行ったんですね。

はい。例えば独身のアルメニア人の自宅での撮影が終わった時、私たちがそこにいた数時間、最初から最後までずっと私たちをウェブカメラで撮影していたのを見 せられた時は笑いました。私は「なんて良い考えだ!」と言いました。教会での礼拝中は彼らと同じように振舞いました。彼らが泣く時は私の目にも 涙があふれました。

■トルコにいるアルメニア人不法就労者の数は分かっていますか。主に何の仕事をしていますか。

明らかになっている最低の数は1万5千人で、最高は10万人です。多くの人はアルメニアにいた時は教師や会計士として働いていた人たちです。ここでは女性 は主に清掃員やベビーシッターを、男性は革製品や靴屋、宝石屋でベテランもしくは新人として働いています。ここへは単身で来る人も家族と来る人もいます。 撮影中はずっと次のように感じていました。アルメニア人たちはドイツに住む我々トルコ人のようになったようだ。

■ある国での不法滞在と不法就労についてどうみますか。

身分証明書も保険もなく、保証も無いということは子供たちも教育を受けないということだ…。

■アルメニアとは外交関係を結んでいないため、ここでは彼らはアルメニア領事館による保護も受けられません。

そうです。お金がなければ薬を買うこともできず、病院へも行けません。長い間子供たちが教育を受けられる唯一の場所が教会の地階にある学校でした。少し前にト ルコ政府はアルメニア人の子供たちがトルコでアルメニアの宗教コミュニティの学校で教育を受けることを許す法改正を行いました。しかしそれでも多くの家族は子供たちを教会の非公式の学校に行かせようとしています。

■それではなぜ外交関係が常に冷え切っているトルコを選ぶのでしょうか。

地理的な近さとトルコ経済の活発さといった理由でです…。その上もちろんここにアルメニアの宗教コミュニティがあるということも、あらゆる困難にも関わらずトルコに引きつけています。

■彼らはどんな心境ですか。

目の奥にある悲しみや表情、声のトーンが、故郷への想いや貧しさ、様々な物質的・精神的困難に満ちた複雑な現実を表しています。トルコは彼らがここで不法就 労をする事に目をつぶっています。そしてだからこそ特に政府に対して感謝の気持ちを抱いています。一方、彼らはアルメニア人の国民国家から来ているため、2 国間で起こったほんの小さな問題も彼らの生活に直接影響を与えており、当然これに対する不安を常に抱いています。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:25840 )