イスタンブル県知事「ノールーズ騒乱の被害甚大」
2012年03月19日付 Hurriyet 紙

イスタンブルで39台のバスがデモ隊によって投石を受けた。42のバス停も破壊された。6台のトラム(路面電車)が被害を受けた。被害総額は180万トルコリラにのぼるという。

イスタンブルで昨日発生したノールーズ騒乱に関してイスタンブル広域市(İBB) は会見を行った。イスタンブル広域市(İBB) は、「発生した騒乱で多くの交通機関に大きな被害がでた。安全上の理由でいくつかの路線のルートにおいて変更が行われた。」と述べた。

■39台のバスが投石を受けた

会見では被害の状況が以下のように述べられた。
「騒乱によりイスタンブル市営交通局(İETT)はメトロバスの路線の14台を含め、合計39台のバスがデモ隊によって投石を受け、大きな被害を被った。イスタンブル広域市交通局管轄に属す子供達のための交通教育バスも焼かれて被害を受けた。
メトロバスの路線上では、5台のアクビル販売機、監視カメラ、1つのラケットガラス、42の歩道橋や歩道橋のプラットホームにある欄干のガラス、E-5道路の双方向バス停のガラスが、デモ隊によって割られた。イェニカプからゼイティンボルヌの海岸まである路線上では42のバス停がデモ隊によって破壊された。

■6台のトラムにも損害あり

交通株式会社イスタンブルメトロの軽量トラムの路線についても、6台のトラムの車両にデモ隊が被害を与え、多くのワゴンのガラスが割られた。多くのジェトン販売機と回転ゲートは使用不可能な状態になった。軽量トラムの路線では現時点の推定によると、25万トルコリラは運営損失、20万トルコリラの物質的損害がでている。燃やされたバスの損害3万トルコリラ、サービスを提供できなかった車両の運営損害12万6000トルコリラ、損害が見られた車両の必需品+人件費7万4445トルコリラの合計23万445トルコリラ、停留所に与えられた損害のコスト16万8000トルコリラが見積もられた。
以上、イスタンブルの公共交通への被害総額は、約180万トルコリラに達するとされた。

■ムトゥル県知事の会見より

ヒュセイン・アヴニ・ムトゥル・イスタンブル県知事は(教育に関する)「ファーティフ計画」を現地視察し、オゼル・エサーヤン・アルメニア人高校を訪れた。視察のあいだ、前日のノールーズ騒乱に関する記者たちの質問に答えた。

■拘留総数は135人だ

ムトゥル県知事は、「昨日から今日まで特段、新しい情報はない。拘留総数は135人だ」と述べた。ムトゥル県知事は、前日の祝典のとき(警察の)催涙ガスで亡くなったと主張されているハズ・ゼンギンさんという人物のケースに関して、説明も行った。ムトゥル県知事は亡くなった人の家族に哀悼の意を表した。ムトゥル県知事は、ハズ・ゼンギンさんが特定の政党の関係者ではなかったと述べ、「直接的にある政党のに勤めているわけではない。しかし政党で特定の役職についてはなかったとわかっているものの、政党との関わりがあったことは事実だ。ハズ・ゼンギンさんには病気があった。深刻な喘息の病気があり、その治療をうけていた。ハズ・ゼンギンさんは13時半にアルナヴットキョイの家にいた。気分が悪くなったのは15時半だ。病院で行われた調査で、体から照明弾もしくはその類のもので撃たれたという特定の証拠はなかった。つまり体に命中したものの影響を受けた、というようなことはない」と述べた。

■「法医学センターが調査の結果から死因を確定するだろう」

ゼンギンさんが催涙ガスの影響を受けた、もしくは頭に命中したもののせいで亡くなったのではという質問について、ムトゥル県知事は「頭に命中したり、体に命中したというようなことを示すような打撃のあとは、ハズ・ゼンギンさんの体にまったくない。このことをまず言っておくが、照明弾やその他のもので撃たれたあとはない。ハズ・ゼンギンさんには深刻で慢性的な喘息の病気があった。13時半には家にいて、亡くなった時間は15時半だ。この情報にもとづき、法医学センターが亡くなった理由をもちろん調査の結果から確定させるだろう」と話した。



■「事件現場にいたのか、警察が今調査中」
ムトゥル県知事は事件が発生した時刻にハズ・ゼンギンさんがそこにいたのかどうかも調査されたと言い、「しかし、彼は衝突の現場にいたのか?警察はこれもいま調査中である。現在までのところ、(衝突の)事件現場にいたという確かな証拠は見つかっていない。この理由から、死因に関しても法医学センターが判断する必要がある。しかし重要なのは次のことだ。すなわち、ハズ・ゼンギンさんには深刻な喘息の病気があり、この治療をうけていたということだ。もう一度哀悼の意を示したい。アラーのご加護がありますように。もちろん我々はいかなる理由でも、市民の命がこのような形で失われてほしくはない」と述べた。

■「ここで実行されようとしたことは、煽動だ」

ノールーズが、本来なら、春、平和、喜びの日であると話したムトゥル県知事は、「人々が春をこのような形ではなく、喜びとともに、友愛とともに準備をし、これを最も良い形で祝う必要がある。しかし昨日我々が見たのは、公共のバス、バス停、そして公共の場所がこのような形で破壊されたという事件だ。このようなことは、バイラム、すなわちこのよき日となんの関係もない。ここで行われようとしたことは、煽動だ。このことと、ノールーズ、あるいはノールーズのバイラムを祝うことには関係はまったくない。ここで意図されていたのは、もっと大規模な事件でイスタンブルの、そして国の平穏を損なうことだ」と話した。

イスタンブルの住民に感謝の意を示したムトゥル県知事は、「全てのイスタンブルの住民にもう一度感謝する。昨日、すべてのプロボケーション、扇動にもかかわらず、警察との闘争せよと広場に動員されようとした住民たちは、この暴徒たちに耳を貸さず、彼らに機会を与えなかった。はっきりと申し上げる。イスタンブルでの昨日の事件で、騒ぎに関わった人の数は2000人以上ではなかった。(暴徒らが)狙っていたのはこれよりはるかに大きい人数が、警察や治安部隊と街頭で闘争することだった。我々はノールーズがノールーズらしく、春らしく祝わることを意図し、そのためにまさに3月21日に認可された祝祭を行うと何度も発表していたのに・・」と話した。

ムトゥル県知事は、バス停とバスに与えられた損害は、社会不安をうみ、破壊をし、ノールーズの楽しみを奪う以外の説明のしようがない、と述べた。ムトゥル県知事は、「我々はノールーズを心地よく祝おうと言った。しかし彼ら(暴徒たち)がどのように祝いたいかは、まさにこのとおりだ」と話した。昨日の事件で発生した被害状況の計算書はあるか、という質問についてムトゥル県知事は、イスタンブル広域市がその調査を行うと返答した。ムトゥル県知事は、「その後、この破壊行為を行った者たちに関する調査に従って、これらが支払われる方向で、関係者に対し訴訟が開かれ、それは間違いなく弁償されるだろう」と述べた。

■ディヤルバクルでの波乱のノールーズ、携帯電話各社への被害額は450万リラ

ディヤルバクルで当局が許可を与えなかったにも関わらず平和民主党(BDP)が昨日行った波乱のノールーズ祝典の際、火を放たれて燃やされた11台の携帯電話各社に属する車両では、約450万リラの損害であったことが明らかになった。
県中央のバーラル市にあるノールーズ公園で昨日行われたノールーズ前夜祭で事件が起こった。会場に携帯電話各社によって設置された車両に設けられた移動基地局がデモ隊の標的となった。火を放たれて燃やされた11台の車両は完全に燃やされて使えない状態になった。携帯電話各社は10台の車両の平均価格が約20万ドル、1台については60万ドルの価値があると示した。消火チームでさえ干渉できない火事の結果、、車両の全てが燃やされた。移動基地局は、こうした催しものに際し人々が健全、平穏にコミュニケーションがとれるようにと、当該の式典会場に設置されていたという。保険に加入していたとされる11台の車両に関し、昨日ノールーズ公園から人がいなくなったのち、警察と責任者が入り現場検証が行われたという。

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( 翻訳者:門野淑香 )
( 記事ID:25852 )