エルドアン首相、核安全サミット参加のためソウル訪問
2012年03月25日付 Milliyet 紙
エルドアン首相は核安全保障サミットに参加するため昨日韓国に着いた。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相はバラク・オバマ米大統領と今日行う会談へ荷物の詰まった鞄を抱えて向かう。会談ではエルドアン首相は、オバマ大統領に対し、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領へ鮮明な態度を取るよう求めるという。また会談ではイランやイラク、テロとの闘い、中東、キプロスの問題も取り上げられる。
■「核問題のシェルパ」フィダンMİT次官
エルドアン首相と共にアフメト・ダヴトオール外相やタネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源相、ザフェル・チャーラヤン経済相、オメル・チェリキ公正発展党副党首、アンカラ選出のヤルチュン・アクドアン議員、フルスィ・アカル参謀本部副長官もソウルを訪れた。トルコ代表団にはハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)次官も名を連ねた。以前国際原子力機関の委員だったフィダン氏は核武装の専門家であるため、イランとの会談ではトルコの代表を務めてきた。フィダン氏はアメリカで初めて開かれた核安全保障サミットでも代表団に名を連ね、エルドアン首相とトルコ代表団を技術面で引っ張ったため、「核問題のシェルパ」とされてきた。
エルドアン首相は、バラク・オバマ大統領との2者会談をはじめとする折衝でシリアとテロとの闘いについて意見交換を行う予定である。今回の訪問で、ハカン・フィダン氏が国家諜報機構次官の肩書で、「核問題のシェルパ」としても代表団に加えられたた事は注目を集めた。
エルドアン首相がサミットの一環で今日オバマ米大統領と行う会談には重要な議題が扱われる。トルコ時間の8時に行われる会談は約1時間半かかる予定だ。会談ではエルドアン首相にとって主要議題であるテロとの闘いとシリア問題が、おもに話し合われる。エルドアン首相の鞄の中のファイルは以下の通りだ。
シリア:エルドアン首相は、あらゆる呼びかけにもかかわらずアサド大統領が自国民への弾圧を強めている事を訴え、アサド大統領に対して鮮明な態度を示すようオバマ大統領に求める。
テロとの闘い:(PKKによる)テロとの闘いのためアメリカ・イラク・トルコの間に築かれているメカニズムと情報交換の重要性を強調する。
イラク:エルドアン首相は、イラクでの紛争がトルコでのテロの高まりにもつながると強調し、アメリカに対してイラクの安定に向けた努力を増すよう求める。
イラン:韓国訪問後イランに公式訪問をするエルドアン首相は、核の危機の解決へ向けあらゆる貢献をする準備があると伝える予定だ。
キプロス:南キプロスは自らの責務を果たしていないにもかかわらず国際社会から支持を受けていることを指摘し、北キプロス・トルコ共和国に適用されている禁輸措置に再び言及し、トルコの反論を繰り返す予定だ。
中東:エルドアン首相はイスラエルのパレスチナ政策に対する厳しい態度にも言及する。
■CEOたちとも会談
エルドアン首相はサミットに参加する多くの国や政府の代表と2者会談を行うだけでなく、韓国のトップ企業の幹部たちとも会談することが分かった。また、韓国の李明博大統領とも会談する。会談ではトルコで建設予定の原子力発電所についても扱われることになっている。韓国ではさらにロシアのトップ、ドミトリー・メドベージェフ氏とも会談する。
■シェルパとは?
外交の用語としては、国を重要な会議で代表し、重要議題へ備える任務にあたる人をいう。この用語は、ネパールのヒマラヤ地域に住むシェルパ部族に起源をもつ。シェルパの人々はヒマラヤ登山をみざす人々の案内をしていたためだ。サミットでは、自国や国のリーダーに対し道案内をする人がシェルパと呼ばれる。
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:25911 )