大学入学試験も大学準備校も廃止する。こうした予備校は高校に変わるか、閉鎖される。なぜなら、最終手段をこのような場で使ってほしくないからだ。私は一部の大手予備校と話した。彼らも、「私たちもその方向に行こうと考えている」と話した。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、久しぶりの国外訪問をおこない、同行した記者らに重要な発表を行った。エルドアン首相は、「初めて発表する」と述べ、以下のように続けた。
「大学入学試験(高等教育資格試験)も大学準備校も廃止する。こうした予備校は高校に変わるか、閉鎖される。なぜなら、最終手段をこのような場で使ってほしくないからだ。私は一部の大手予備校と話した。彼らも、『私たちもその方向に行こうと考えている』とのことだ」。カザフスタンの首都アスタナで、燃料補給の間に記者と会話した首相は、シリアとの外交関係のレベルを引き下げ、大使の召還が時間の問題であると説明した。エルドアン首相は今朝ソウルで、アメリカのバラク・オバマ大統領と一時間半ほど会談を行う予定である。
■(アンカラの)タンドアンでの集会
--- 4+4+4制をめぐって共和人民党(CHP)との間に緊張が生じている。共和人民党党首は、グループ集会をタンドアン広場で行うと発表した。どう思うか?
私は官僚出身ではない。民間の出身だ。しかし共和人民党のクルチダルオール党首は、よりあの広場に似つかわしい。私は、「(官僚の)見習いにもなれない」と 言っているではないか。彼は間違った名を用いている。グループ集会は国会で行われる。 タンドアンでのは集会である。そこへ行って、集会をやればいい。4+4+4制はみんなを満足させる。多くのヨーロッパ諸国の義務教育は12年間である。(民族主義者行動党の)バフチェリ党首も支持している。私は、「イマーム・ハティプ学校も制度導入とともに開校しよう」、「よければ一緒に開校しよう」と言っている。 共和人民党がああした態度をとる原因は、(イマーム・ハティプ中等部の廃止が)密かに2月28日過程が下した意思であるからであり、それが崩れるからだ。
--- 義務教育12年問題での望みは何か?4+4+4制で何を目指しているか?
まず技術教育は、ヨーロッパでは65‐70%である。トルコでは全く逆である。これを直さなければならない。そうした措置の後で人々が、産業、商業、アナトリア(高校)、 またはイマーム・ハティプ学校のどれかを選べるようにする。しかし、12年間の義務教育を導入する。特に南東部では、学齢期の女性を、家族が学校に行かせない。通信高校はこのためのものである。家が学校となるようにするのである。また、組織された工業地域の職業校開校の機会も保障する。子供たちは勉強も実習も行う。お金も稼ぐかもしれない。産業界も必要性を感じている「中間職能者」部門の必要性に応じ、養成をおこなうだろう。
■新しい建物が必要
--- 私立学校は、教科書と無料でのタブレット端末提供の対象とされないことに反発している。私立学校も含めて適用することは可能か?
検討することはできる。しかし私立学校には新しい可能性が生まれる。4+4+4制のため、新しい建物が必要になる。学校建設の問題では、多くの資金が必要となる。我々は、私立学校に協力を求めている。行政裁判所が棄却した。我々は再び作業を行っている。このことは初めて発表する。こうした予備校は高校に変わるか、閉鎖される。なぜなら、最終手段をこのような場で使ってほしくないからだ。私は一部の大手予備校と話した。彼らも、「私たちもその方向に行こうと考えている」と話した。
■国連の最終決定を承認しない
--- ソウルでのオバマ大統領との会談で、核問題以外の議題は分かっているか?
会談では、地域情勢も重要な位置を占めるだろう。彼らと我々を最も不安にさせるのは地域情勢だ。シリアから難民が押し寄せるという心配がある。先日、キリスにとても近いアズラルで、シリア軍が大規模な爆撃を行った。私はキリス県知事と会談した。彼は難民が発生するかもしれない心配を伝えた。仮設住宅地では、家族を優先する。2万人までは想定している。しかしこの重荷を、一国では支えることはできない。国連の最終決定を我々は承認しない。反体制派と現体制とを同じ基準で判断するのは公平ではない。死者数は1万人に達する。我が国への避難者の数は1万7千人だ。これは現体制、現政権のせいだ。(コフィー・)アナン特使の会談は、現地を訪問せずに実現した。彼はいろいろな立場の者を訪れなかった。(ヴァレリー・)アモスの訪問はもっと良かった。アモスは、「ホムスには、銃弾の跡がない家は一つもなかった。いたるところが爆撃されたようだ」と言った。この状況で抵抗する者を責めるのは公正ではない。
--- アサド大統領がPKK(クルド労働者党:非合法組織)を支援したことに関する報告はあるか?
いや、ない。しかし、アサドとPKKの関係の強まりも明らかだ。かつてPKKの関係者を我々に引き渡したアサドが、現在PKKを保護しているのを目の当たりにしている。PKKだけではなく、イランから来たPJAK(クルディスタン自由生命党)さえも活発化しているのが見られる。
--- シリア国内で、緩衝地帯や安全地帯の設置は議論されているか?
作業は進んでいる。情勢による。国際法によれば、「防衛権」の範疇に入りうる。我々はロシア、中国、イランも含めた解決法を探している。
■シリアに交渉相手は残っていない
--- アサドの最後をどう見るか?
時をもてあそんでいる。(政権の延命を)引き延ばせるだけ引き延ばそうとしている。ロシア、中国、イランの支援で留まっている。この支援がなくなれば、多くのことが変わる。予算作成の段階で困難がある。現在の成功は彼に活力を与えているが、反体制派が力を持つと、事態は急速に進展するだろう。
--- シリアとの交渉の余地は残っているか?
皆無と言えるほど僅かだ。我々は、常に関係を断つ方向で舵を切りうる。外務省はこの取り組みを行っている。「シリアに交渉相手は残っていない」と言うことができる。
--- 大使召還の可能性があるということか?
そうだ。
--- シリアで行方不明のトルコ人記者二人に関し、進展はあるか?
いや、ない。身代金についていわれている。しかし我々に公式な打診はない。
■ロシアと原発を建設
--- 核安全サミットに行くだが、日本の福島原発事故の後、トルコの原子力政策に変更はあるか?
日本でさえまだ最終決定をしていない。我々は原子力が必要であり、なくてはならないと考えている。エネルギー生産の配分のために重要だ。しかしもうエネルギー源の問題が起こっている。我々は、ロシアと始めた原発計画を実現する。二基目も始めている。現在トルコのエネルギーの50%は天然ガス発電所から得られ ている。ロシアとの計画で4千メガワットのエネルギーを生産する。二基目からも4千メガワットが来ると、天然ガスの割合が減る。水力はうまく使っている。 太陽光ももちろん非常に安い。事情通もそうでない人も口々に語っている。(それらのエネルギー源は)それほど「安心」ではない。
■2月28日過程委員会
--- 最近の話題となっている2月28日過程に関係する裁判は始められるのか?
あらゆるこの種の節目の出来事に関する国会調査委員会をつくるという意図がある。名前が何であれ、革命またはポストモダン・クーデタのすべてが調査され、 真実を明らにするための委員会の創設に動いている。裁判にかけられる件があるならば、それも行われる。
■58のリーダーが集まるサミット
タイイプ・エルドアン首相も参加する第二回核安全サミットは、韓国の首都ソウルで明日始まる。エルドアン首相やアメリカのオバマ大統領を含め58のリーダー、多くの国際機関、6千人のスタッフ、3千人の記者、700人のシークレットサービス、3万6千人の兵士と警察がこのサミットに集まる。サミットの 主要な議題は、テロリストが核兵器を手にするリスクについてである。目的は、このリスクを最小限にとどめるために、世界規模で核物質の安全性を確保する条約に調印することである。イランと北朝鮮の核計画も、二日間のサミットで議論されるとみられる。オバマ大統領は、「イランの核兵器がテロ組織の手に渡るリスクが ある」と言っていた。
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:25915 )