核安全保障サミットの全体会合の閉幕にあたりスピーチをしたエルドアン首相は、トルコのエネルギー需要に応えるため原子力計画を始動したと明らかにした。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、トルコがヨーロッパで6番目、世界では16番目の経済大国の位置づけにあると話し、「安全で信頼出来、経済的で環境にやさしいエネルギー源の使用は、トルコの成長戦略の中心をなしている。トルコは精力的に原子力計画を始動した。さらに国のエネルギー需要に継続的に対応するために、この計画をしっかりと実施していくだろう。国家目標は2030年に総発電量の10%を原子力でまかなえるようにすることだ」と話した。
トルコは、「核兵器のない世界」の目標と、原子力の安全かつ平和的な目的での利用の原則をしっかりと堅持していくとし、「我が国の原子力計画を実行に移すために、国際社会への義務を果たしているすべての国が原子力を最大限利用する権利を支持する。トルコが今回とった措置は、いかなる形でも、原子力の平和利用に向けた国際協力と、原子力の技術面、装備面、原料面での平和使用の追求を妨げるものであってはならない。またトルコのように高まるエネルギー国内需要に応える目的で、エネルギー供給の中に原子力発電を含めざるを得ない諸国にとって、極めて重要である」と話した。エルドアン首相は、サ ミットの一環で開かれた「原子力安全保障ネットワーク」昼食会で、原発事故についても話した。首相は原子力について国民の安全が最重要であるとの認識を強調した。
■メドベージェフ大統領ともソウルで会談
エルドアン首相は、核安全保障サミットのため滞在中のソウルで、ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領と会談した。会談には、ロシアからセルゲ イ・ラヴコフ外相とセルゲイ・プリホドゥコ大統領主席補佐官、トルコからアフメト・ダヴトオール外相とザフェル・チャーラヤン経済相が出席した。二人のトップは会談で、2国間関係とともにシリアをはじめとする地域・国際情勢について時間を割いた。ロシアがトルコに2000億ドルを投資するメルスィン・アククユ原発建設 の工事開始が年内に迫っている。またエルドアン首相は昨日、デンマークのヘレ・トーニング・シュミット首相、インドのマンモハン・シン首相らとも対談し た。さらにエルドアン首相が4月7~11日にかけて中国へ公式訪問を行うことも発表された。
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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:25927 )