メフメト2世彫像ブロンズメダル、オークションで高値予測
2012年03月30日付 Hurriyet 紙


メフメト2世(ファーティフ:征服者)の彫像が描かれ、「非常に珍しい」とされるブロンズメダルは、30万ポンドから40万ポンド(84万~112万リラ)の間予想価格でオークションに出された。ブロンズメダルに描かれる彫像はファーティフの最も若い頃のものであると言われている。

研究者で作家、貨幣学者でもあるネジャティ・ドーアン氏は、ブロンズメダルに描かれているメフメト2世の彫像は、今日までに発見されているものの中で最も若い頃のものであることを明らかにし、「このため、より価値のあるものとなっている」と述べた。

ボールドウィンのオークションハウスのサイトに掲載された告知で「非常に珍しい」と表現されたブロンズメダルは、イタリアの彫刻家のピエトロ・ダ・ミラノ(1432~1466)によってつくられたという。ブロンズメダルの一面には、細かい装飾が施されたメフメト2世の彫像が描かれており、その裏には何も描かれていない。

イスタンブル征服から10年の間に作成されたとみられるこの作品の上には、ラテン語で「偉大なる支配者、偉大なるメフメト2世」と書かれており、ピエトロ・ダ・ミラノがファーティフ(メフメト2世)の頭にまかれた布の上に完全には読み取れないが、「アッラー」という文字を記したと考えられている。

彫刻家ピエトロ・ダ・ミラノは、ルネサンス時代の芸術家らが広く使っていた、作品で名前の頭文字を隠すという流行に従って、ブロンズメダルのある場所に名前の頭文字を隠したことが明らかにされる一方、作品に描かれたメフメト2世の彫像が実物に最も近い図であることも主張された。

4月25日にロンドンで行われるオークションにおいて、30万ポンドから40万ポンドの予想価格で競売にかけられるブロンズメダルは、第19イスラムコインオークションで売られる予定だ。

他にも、アフメト3世の時代に属するイスタンブルで鋳造された金貨や、スルタン・アブデュルアズィズの時代にエジプトで鋳造された500クルシュ金貨、アブデュルハミト2世の時代に再びエジプトで鋳造された200クルシュ銀貨も競売にかけられる。

■「ヨーロッパにはお金がない。アラブ人が落札するだろう」

研究者で作家、貨幣学者でもあるネジャティ・ド-アン氏は、メフメト2世の彫像が描かれたブロンズメダルに関して行った評価の中で、オスマン帝国時代では、貨幣と硬貨の上に写真の代わりにスルタンの花押(トゥーラ)やオスマン帝国の紋章が描かれていたことを述べた。

ファーティフ以降のオスマン帝国スルタンたちが、その征服を理由に、ヨーロッパで話題になっていたと述べるド-アン氏は、特にルネサンス時代の芸術家らが、オスマン帝国に関するテーマの作品を手掛けており、そして、このブロンズメダルもその一例であると語った。

ド-アン氏は、鋳造技術をもって作られたメダルがブロンズ製であるため、もともとメフメト2世に献上される可能性がなかったか、あるいは、何らかの理由で届けられなかったのだと述べ、以下のように続けた:

「ブロンズメダルに描かれるファーティフの彫像は、私が今日までに見た中で、最も若い頃のメフメト2世である。このため、この作品は貴重なものとなっている。このブロンズメダルは硬貨収集を行う全てのコレクターが獲得したいと望む一品である。私はトルコ人がこのメダルを落札することを望んでいるが、オスマン帝国時代の作品のため、非常に高値がつくことが予想される。ヨーロッパには、経済危機のためお金がない。しかし、私は特にアラブの首長たちがオークションに関心を示すだろうと考えている。」

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( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:25952 )