国民教育省は、「コーランと預言者ムハンマド」の選択科目が中学、高校でどのように教えられるのか、その指針を示した。
国民教育省は次年度に施行される4+4+4義務教育法に関する準備を始めた。法に記載され物議を醸している、中高での選択科目である「コーランと預言者ムハンマド」がどのように教えられるべきかを含め、この問題における疑問への回答を教育省関係者は行った。 関係者は世論には特にこれらの選択科目に関して事実無根な主張や不安があると述べ、「1500万人の生徒の中でこの授業を選択科目として履修する者は、現在世間で誇張されているほど多くはない」と述べた。関係者からの情報によると、新教育制度の概要は以下の通りである。
*この二つの選択科目は何学年から開始されるのか?
現行制度での初等教育の4年生から高校4年生まで「宗教文化と道徳」の授業は必須科目として教えられることになる。「コーランと預言者ムハンマド」の授業は、新制度では2段階目の5年生から開始され、高校最後まで選択科目として履修することができる。
■コーランは持ち歩かない
*生徒はこれらの科目をどのように選択するのか?
生徒は現行制度同様に、理科、社会、国語(トルコ語)、数学、宗教、言語を重点に用意された選択科目リストから希望の授業を申請書に記入するのみである。
*「コーラン」の授業で女子生徒はスカーフ必須になるか?
現行制度では、イマーム・ハティプ高校で教育を受けている女子学生は「コーラン」の授業でスカーフを着用している。新制度では、選択科目として「コーラン」を履修する女子学生はスカーフを着用することはできるが、強制ではなく個人の意思に任せるようになる。
*「コーラン」の授業の前に顔や手足の清めをするのか?清めをする場所はあるのか?
いいえ、生徒は清めの義務はない。「コーラン」の授業は他の授業と同じ扱いになる。また通常の教室で授業は行われる。
*生徒は学校にコーランを持っていくのか?
いいえ。国民教育省が、言葉を簡略化し、トルコ語訳をつけ、アラビア文字が教えられるような、そしてコーランの各章が載せられたコーランの教科書を準備する。他の授業の教科書と同じように、コーランの教科書も教育省から履修者に無料で配布される。
■ムッラーは教鞭に立たない
*この2つの選択科目は誰が教えるのか?
これらの授業は、現在の「宗教文化と道徳」の授業担当教師が受け持つ。現在「宗教文化と道徳」を教える教員は約1万3千人いる。コーランに関して知識が深いこれらの教員が選択科目を担当する。ムッラーやイマームがこれらの授業を教えるという主張は全く誤っている。
*他の信仰に関連する授業はあるのか?
ある。生徒にそれぞれの信仰と預言者について教える授業を検討中である。例として、キリスト教徒のために、イエス・キリストとキリスト教に関する授業を準備している。アレヴィーの生徒にも、サズの授業やセマーやジェムでの儀式のやり方などに関し選択科目をつくる予定である。
*イスラム以外の宗教の授業は誰が教えるのか?
国民教育省が選択科目に関し専門責任者を決定する。教育省が決めた人物がその宗教の授業を教えることができる。
*授業開講の必要最低人数はあるのか?
現行制度では、1授業につき最低10人が選択科目として履修すれば開講されることになっている。新制度では、もし学校内で必要最低人数に満たない選択科目がある場合は、同様の学校を探し、教室内に収まる範囲で周囲の学校から生徒を一か所に集め、その選択科目のための授業を開講することを計画している。
*来年の教育年度に間に合うのか?
授業計画とシラバス作成の準備が始まった。2012-2013教育年度に新制度に移行させるか、否かを閣議が決定する。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:25976 )