アルメニア・トルコ和解会議に、米アルメニア穏健派代表参加
2012年04月14日付 Zaman 紙


トルコとの対話推進派のアルメニア系アメリカ人グループは、在外アルメニア人のタカ派グループの激しい批判のなか、ワシントンで開催された、「アルメニアとトルコの和解」をテーマにした活動に参加した。NGO団体HasNaによって、トルコで殺害されたフラント・ディンク記者の「対話が唯一の解決策である」という言葉をスローガンに開催された会議では、エドワード・チョバニアン氏の紹介で、オメル・タシュプナル博士が話をした。

HasNa運営委員会のメンバーで、ナショナル・ウォー・カレッジの教員でもあるタシュプナル氏は、トルコーアルメニア論争において長期にわたる(問題の)解決のために、唯一現実的な希望が「人から人へ」通じる道であることを強調した。

アルメニア人は1915年事件により、またトルコ人もオスマン帝国の崩壊により、「トラウマ」を抱えてきたと指摘するタシュプナル氏は、両者にこのトラウマを大きくするような振る舞いを止めるよう呼びかけた。一部のアルメニア人グループがジェノサイドを認めさせ、その後賠償と領土を要求するようになったことが、トルコでは「脅迫」との認識を強めてしまったと指摘する。タシュプナル氏は、第一段階として、ジェノサイドを認めるトルコ人と、1915年事件をユダヤ人虐殺のホロコーストと同一視しないアルメニア人の間で対話が始められるのではないかと語った。1915年事件への共感的なアプローチにも関わらず、タシュプナル氏に対し、会議場にいた一部のアルメニア人から非難や批判的な見解が出たことが目を引いた。アルメニア人参加者の中には、会議が1915年事件の起こった4月24日近くに行われるのか質問したり、トルコ政府が国民にこの事について教えていないと指摘する者もいた。

トルコ人記者グループと談笑するHasNa関係者でハルプト出身のアルメニア系アメリカ人、メリー・アン・キバリアンさんは、(両方の)市民同士の対話を支援すること、ジェノサイドを認めることを対話の前提条件としないことが必要だと述べた。彼女は、方向性の違いによって一部のアルメニア人らに批判されているとし、「彼らは、誰かが異なる路線をとることを快く思っていない」と語った。商業ルートによる民間の取り組みが重要であると指摘するキバリアン氏は、トルコとアルメニアの国境が開かれることを求めた。彼女はまた、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相を「正しいことをすること」を望む「きちんとした」人物として評価した。タカ派のアルメニア系アメリカ人の代表者の一人、ハルト・サッソウニアン氏はアルメニアン・ウィークリー誌で、HasNa会議を含むトルコ人との対話会議に参加するアルメニア人を、「その背景に名誉と富がある」とか「世間知らず」として批判している。サッソウニアン氏は、最近のワシントン訪問でロサンゼルス在住のアルメニア人グループと会談したアフメト・ダウトオール外相が、「穏健派の」アルメニア人を探していたと語った。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:26063 )