■スタンダード・チャータード銀行、レバノンに「経済のカギ」を活用するよう呼びかけ
■チーフエコノミスト、2012年におけるレバノンの総生産の経済成長を予想
2012年4月14日 土曜日 『アン=ナハール』
【ダーニヤー・シュリー】
スタンダード・チャータード銀行は、世界中のの金融・銀行の組織と同様に、政治・安全保障情勢とそれが諸国の経済に及ぼす影響を注視している。ちなみに、1年以上前から関心は中東地域に注がれている。また、レバノンに高い配当があり、それは「同国がアラブの春から影響を受けておらず、それどころかシリア情勢から良い影響を受けるかもしれないから」である。これは、スタンダード・チャータード銀行のチーフエコノミスト、フィリップ・ドバ・バンダナーシー氏が本紙に述べたことである。
スタンダード・チャータード銀行は、優先事項一覧表で、「同行のエージェントたちが」グローバル経済とローカル経済の一般環境についての充分な情報を示すことを強く望んでいる。また、毎年ベイルート(ル・グレイホテル)で開催される経済会議で、この優先事項は反映されている。その会議中に、同銀行のチーフエコノミストで中東・北アフリカ地域の責任者であるフィリップ・ドバ・バンダナーシー氏は、グローバル経済の特徴と諸般の障害を報告した。同氏は、地域、同行の研究や統計についての同行の包括的な研究分析を報告した。
バンダナーシー氏は本紙に対し、以下の通り述べた。「レバノンは、他の地域を襲ったアラブの春の影響を受けていない。レバノンの経済状況は、シリア情勢への近接にも関わらず相当に良い。それどころか、シリア情勢はレバノンに良い肯定的に反映されるだろう。」、「レバノン人には国内にある諸般の資源を利用する必要がある。これは、経済的なカギを利用することによってもたらされるのだが、経済的なカギとは、まず観光分野の発展と社会資本の再建、通信分野の近代化から始まるものである。」、「うまく投資すれば、これらの諸分野はレバノン人に大きな利益をもたらす分野である。」また、同氏は、レバノンの通信分野には大規模な競争が不足していると考えている。そして、「より広範なサービスを廉価で提供するため」、インターネットの問題を解決する必要性が生じると話す。これは、「実業界におけるインターネットの重要性、インターネットが提供する作業の円滑化によって真剣な経済事業が具体化する上での重要性」を鑑みてのことである。同氏は、「レバノン政府は、これらの諸分野(=通信やインターネット)に投資し、投資家を誘致しなくてはならない。」と述べた。
同氏はレバノン銀行が自国の通貨を維持するために行っている優れた策を称賛し、昨年(2011年)12月、エージェントたちが(レバノン通貨に対し)警戒状態にあったと指摘した。同氏は、「つまり、諸般の投資決定をする前に、彼らは地域の姿が明確化し、一連の状況推移が収束することを待っているのである。」と述べた。同氏は、経済の特徴は今年のレバノンの情勢は昨年よりも魅力的のように見えると指摘した。同氏は、それらの特徴の中でも重要なものは、ホテルの予約率が60%に上昇したことであるが、これはレバノン経済が昨年から回復していると表明した。昨年のレバノン経済は、6カ月以上政府が不在だったことや世界経済の混乱による停滞状況にあった。同氏は、「2012年は前年よりも物事がはっきりしてきた。これにより、我々は2012年のレバノン経済の前進が期待できるようになった。」と述べた。
一方、同氏は、地域の石油価格上昇の影響を指摘し、「石油価格の上昇は、GCCの石油種出国によい影響を及ぼすだろう。これに続いて、石油収入がレバノンを含むアラブ地域全体のサービス業によい影響を与えるだろう。」と述べた。
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( 翻訳者:樋口菜乃葉 )
( 記事ID:26078 )