イラン、UAE側の主張に回答「大統領のアブー・ムーサー島訪問は国内問題」
2012年04月14日付 Jam-e Jam 紙

 水曜日〔4/11〕のマフムード・アフマディーネジャード大統領のアブー・ムーサー島訪問をめぐるアラブ連盟及びペルシア湾岸協力会議のプロパガンダを受け、イラン外務省のアラブ・アフリカ担当次官は、大統領によるアブー・ムーサー島訪問は国内問題であるとの見方を示した。また国会の国家安全保障外交政策委員会の委員長も、イランがアブー・ムーサー島の領有国であることについて議論の余地はないと語った。

 先週の後半、マフムード・アフマディーネジャード大統領は第4期地方州訪問の一環として、ホルモズガーン州を訪れ、その流れの中でイランの領土であるアブー・ムーサー島入りした。この小さな、しかしホルモズ海峡に近く、戦略上重要かつ物議を醸してきたこの島の歴史で、この訪問はこれまでで最も高いレベルの当局者の訪問だった。

 この訪問はアラブ首長国連邦(UAE)の反発を招くこととなった。UAEのシャイフ・アブダッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外相は同国の公式通信社に出した談話の中で、「今回の訪問は、UAEの自国領に対する主権の広範な侵害であり、直接的な対話ないし国際裁判所への付託を通じた問題の平和的解決に向けた努力・行動を無視するものである」と主張した。

 同外相は談話の中でまた、「三島へのアフマディーネジャードの公式訪問は、彼らの法的な立場に変化をもたらすものではない。これら三島は依然としてUAEの不可分の領土の一部である」などと事実とはかけ離れたことを主張している!!

 しかしながら実際のところ、アブー・ムーサー島はペルシア湾内の、イランに帰属した島である。この島の面積は約25㎢で、歴史資料によれば、三島(アブー・ムーサー、及び大小トンブ島)に対するイランの主権は、イーラーム(エラム)、マード(メディア)、ハカーマネシュ(アケメネス)、アシュカーン(パルティア)、サーサーンの各帝国の時代にその起源がある。イギリス政府がこの島を占領して以来、1971年に至るまで、イランの歴代の政権はいずれも、この占領を受け入れたことはなく、アブー・ムーサー島は大小トンブ島とともに、イランの行政区分の一部であった。そして1971年にイラン側の追求によって、これらの島々はイギリスの占領から脱したのである。

ペルシア湾岸諸国の首長たちの反応

 UAE外務省はメディア上で一騒ぎを起こした後、今や「相談のため」と称して、サイフ・ムハンマド・アビードゥッ・ズアービー駐テヘラン大使を自国に呼び戻すまでになっている。こうしたプロパガンダ活動の一環として、UAE議会は声明の中で今回の問題を非難し、アブー・ムーサー市民の前で行ったアフマディーネジャード大統領の演説を「煽動的な演説」と呼んでいる。

 ペルシア湾岸協力会議も内政干渉的な行動として声明を発表し、その中でこうしたUAE側の主張を支持して、同地域へのイラン大統領の訪問を非難、今回の訪問はUAE政府の主権に対する侵害であり、歴史的・法的現実、ならびにUAEの三島に対する主権を変更するものではない!などと主張している。

 アラブ連盟もあからさまな干渉を行う中で、今回の訪問は正当化できないとの認識を示した上で、今回の件は問題の解決に向けた平和的努力を明らかに踏みにじるものだと主張した。

 アラブ連盟のナビール・アル・アラービー事務局長は声明の中で、多くの懸念とともに、アフマディーネジャードのアブー・ムーサー島訪問に関する報道をフォローしているなどと妄言を吐いた上で、地域の緊張を高め、アラブ諸国とイランとの関係を陰らすことになるこの種の行動は慎むよう表明した。同氏は続けて、直接協議を行うか、あるいはハーグ裁判所に本件を付託するか、いずれかを通じて平和的解決の道を選ぶ必要があると訴えている。

イラン側当局者の回答

 こうした動きを受け、イラン外務省のアラブ・アフリカ担当次官はイラン大統領のアブー・ムーサー島訪問に関するUAE外相の一部発言に対し、「同島へのマフムード・アフマディーネジャードの訪問は、国内問題であり、彼の地方州訪問の一環として行われたものである」と強調した。

 ホセイン・アミール・アブドッラーヒヤーン次官は、大小トンブ島ならびにアブー・ムーサー島がイラン・イスラーム共和国に「歴史的かつ永遠に帰属」していることを強調した上で、「イラン・イスラーム共和国は両国関係の発展と強化を真剣に望んでいる」と述べた。〔‥‥〕

 他方、国会の国家安全保障外交政策委員会のアラーオッディーン・ボルージェルディー委員長は、アブー・ムーサー島に対するイランの領有権問題に議論の余地はないと述べた上で、「大統領の同島訪問に関するアラブ連盟及びUAE当局者らのプロパガンダは、まったく受け入れられない」と述べ、さらに「アブー・ムーサー島はイラン・イスラーム共和国の一体的領土にとって不可分の一部であり、大統領がイランの他の地方と同じように、この地方を訪問するのは当然のことである」と付け加えた。

〔‥‥〕

 同委員長は、なぜUAE当局は時折三島問題を持ち出すのか、との質問に対して、「以前よりイギリスは中東地域にプレゼンスを有し、常に隣国同士の対立を煽ってきた。こうしたイギリスの政策は今も続いており、地域諸国を煽動することで、対立を煽ろうとしているのだ」と答えた。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:26082 )