アサド後のシリア構想、ブルサで発表
2012年04月15日付 Zaman 紙


反体制派のシリア国民評議会のスポークスマン、アブダッラー・トゥルクマニ氏はアサド体制後、議会制度を設けることを計画していると話した。トゥルクマニ氏は、「過去を清算するためにも『真実と正義委員会』をつくる」と述べた。

シリア反体制派の統括組織、シリア国民評議会のスポークスマン、アブダッラー・トゥルクマニ氏は、バッシャール・アル=アサド氏に対する抗議デモが続くシリアでバアス党政権後にどのような国を築くことを計画しているかの全体像について、ブルサで参加した討論会で発表した。トゥルクマニ氏は、「若い市民」組織と中東の民主化運動家らが築いたナフダ・ネットワークがブルサで開催した「どこにでもいるヒーローたちの、どこにもない物語」という討論会で語り、新たなシリアでは表現の自由のどんな障害も取り払われると約束した。「人権が最優先され、腐敗を見逃さない、多元主義が浸透した」国を作ることを計画していると述べた。

さらに、「シリアはもはや誰かの農場ではない。シリアはもはや差別と弾圧の国ではない。シリアは今後全ての国民が平等に扱われる自由の祖国となるのだ」と語った。トゥルクマニ氏はアサド氏が倒された後、革命を支持したシンボル的な人たちやオピニオンリーダーたち、法律家、政治家から成る暫定評議会が組織されると述べ、移行期間は選挙により終了すると発表した。今後議会制度が設けられるシリアで総選挙の後に組織される議会の最初の仕事は、「法の支配に基づいた新しい、包括的な」憲法を草案することであると述べた。さらに「過去を清算するために『真実と正義委員会』をつくる」と述べ、1982年のハマ大虐殺を含め40年間国を弾圧しながら支配してきたバアス党政権の人間やこの体制を支持した者たちを裁判にかけると約束した。

演説の後、ザマン紙の特別インタビューに答えたトゥルクマニ氏は、フランスで第三回が開かれる予定の「シリア民衆の友」会議で、アサド氏が停戦を守っているかどうかを見極めたうえで、シリア国民評議会がシリア国民の正式な代表として認められるかもしれないと述べた。トゥルクマニ氏は、アナン氏の提案した停戦にアサド政権が長期間従わないと考えていることも述べた。シリアで起こった事件に関するイスラエルの態度についてもコメントし、「イスラエルはバッシャール・アル=アサド政権下のシリアの隣国であることに非常に満足している。シリアが自国の問題で手を焼いていることをイスラエルは非常に喜んでいる。今起きていることの背後には、イスラエルの安全保障の考え方にも原因がある」と語った。

アサド後のシリア・イスラエル関係に関する質問には、「パレスチナの独立を認め、シリアのゴラン高原から撤退し、理由もなく罪のない人々を爆撃して虐げたりしない、近隣諸国に安全を保障したイスラエルとならば中東で平和について話し合うことが出来る」と答えた。討論会で話した「アレッポ在郷評議会」のメンバー、ハッサン・カセム氏は、アサド政権がずっと反体制派を「過激イスラーム主義者と原理主義サラフィー主義者」と描写しようとしていることに触れつつ、「世俗主義者である私を、政権は反体制派から切り離すことができなかった。(イスラム主義者たちと)ともに、何年間も耐えなければならなかった独裁者に対し、みんなで一緒に戦っていると自覚している」と述べた。

■停戦3日目、ホムスで戦車が砲撃

国際社会の圧力で始まったシリアの停戦3日目、軍の戦車がホムスを再び砲撃した。昨日の早朝始まった砲撃は反体制派の拠点、ホムスの2つの地区に対して行われた。地元の活動家たちは、停戦が始まった木曜日の朝以降初めて戦車が砲撃したと発表したが、砲撃による死傷者の数については詳しく明かされなかった。反体制派の逮捕が続いていることも伝えられている。シリアの様々な都市で起こった事件では、治安部隊による発砲の結果、17人が亡くなったことが分かった。国連・アラブ連盟特使のアナン氏の主導で始まった停戦は、昨日、多くの都市の金曜礼拝で行われたデモで最初の試練を迎えた。デモ隊に対する治安部隊の砲撃の結果、6人が亡くなった。

国連安全保障理事会は不安定な停戦を監視するため、シリアへの監視団の派遣を含む新たな決議案を全会一致で採択した。採択された案は、まず30人の非武装の軍事監視団をシリアに派遣することを含んでいる。決議案では安保理が、決定がきちんと守られているか検討し、必要ならば「他の適切な手段がとられること」も明記されている。アナン氏のスポークスマン、アフメド・フェヴズィ氏は前日に行った会見で、シリア政権が派遣団の入国を受け入れたと発表した。一方、ドイツで発売されたデア・シュピーゲル誌はドイツ船籍の船がイランに属する軍事物資をシリアに運んでいるとして地中海で止められたという記事を載せた。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:26087 )