91年度〔西暦2012年3月20日〜〕予算法案が国会の予算合同委員会で現在審議中だが、専門家らは同予算案で公債発行額が爆発的に上昇すると予想されていることに対し警告を発し、国の経済にもたらすであろう悪影響に注意を促している。
ジャーメ・ジャム紙記者の取材によると、政府は91年度予算法案で、内国債として55兆6千億トマーン〔約3兆7千億円〕の公債発行を求めている。しかしながら、この額は昨年、そして最近の5年間に比してこれまでにない伸びを示しているのみならず、国の公債発行の歴史のなかでこれまでに売られてきた公債をすべて合わせた額よりも大きいのである。
中央銀行が90年アーザル月〔2011年11/12月〕に発表した公式統計によると、第一期のイラン公債が〔‥‥〕テヘラン市によって発行された73年〔1994/95年〕以来89年の終わり〔2011年3月〕までに、合計で33兆トマーンの公債が国内で発行され、そのうち30兆トマーンが売られた。この数字に、90年〔2011/12年〕に売られたと思われるおよそ10兆トマーン(昨年度売却された公債の正確な数字は、いまだ中央銀行から発表されていない)を足すならば、政府は90年の終わり〔2012年3月〕までに、約43兆トマーン〔※ママ。正確には40兆トマーン〕の公債を国民に売ってきたことが分かる。
さて、91年度予算法案で政府が提案している数字〔55兆6千億トマーン〕は、過去17年の間に売られてきた公債の額〔40兆トマーン〕よりも、15兆6千億トマーン、つまり37%〔正しくは39%〕多いのである。〔‥‥〕
90年度予算法の様々な規定では、政府は34兆トマーンの公債を発行することが許されていた。〔91年度予算法案では〕政府は55兆6千億トマーンを要求していることから、〔これが認められれば今年度政府に許された公債発行額は〕昨年よりも21兆6千億トマーン、つまり60%の伸びを示すことになる。
〔‥‥〕
こうした中、国会調査センターは一連の報告書の中で、現在予算法案を審議している議員らに向けて、同法案で公債の額が急速に伸びており、それが国の今後の経済に悪影響をもたらすと警告を発している。
同センターは報告書の中で、55兆6千億トマーンの公債を発行すれば、これによる政府の借金は今年度の石油ならびに石油製品の売却で得られる収入の83%に達すると指摘している。同センターは、〔‥‥〕公債発行額が国内総生産に占める割合は、87年度〔2008/9年〕は1%だったのに対し、91年度では9%に達すると警告、さらに通貨供給量に占める割合では1%(87年度)から13%(91年度)に、株式取引額では17%から193%(同)に、非政府部門による預金額では1%から14%(同)に達するだろうと指摘している。
立法権の調査部門である同センターはまた、この公債の元本・利率の償還年である95年〔2016/17年〕には、国民に対して、91年度発行公債の利率だけで30兆4千億トマーンの債務を抱えることになるだろうと予測している。
〔‥‥〕
過去6年間の公債発行額
86年〔西暦2007/08年〕 2兆3千億トマーン
87年〔西暦2008/09年〕 1兆1200億トマーン
88年〔西暦2009/10年〕 1兆7690億トマーン
89年〔西暦2010/11年〕 15兆6千億トマーン
90年〔西暦2011/12年〕 10兆トマーン(およそ)
91年〔西暦2012/13年〕(審議中)55兆6千億トマーン
合計 86兆3890億トマーン
関連記事(混乱状態の経済)
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:26120 )