■成長率が3.3%へ上昇、2013年には国際収支の赤字後退
2012年04月22日
『アル=アハラーム』
【アーマール・アラーム】
IMF(国際通貨基金)が先週発表した3つの報告書は、世界経済のパフォーマンスはほどなく漸進的に改善すると述べた。この発表は、今年および来年の2年間に経済が直面する危機の規模が増大している中で行われた。
また、そのことにより、IMFは今年2012年の世界経済成長率の見通しを、昨年の4.0%に対して3.5%へと下方修正した。また、エジプトに関して、『IMF世界経済見通し』は、2011年が1.8%であったのに対して今年はたった1.5%の成長率になるだろうと予想している。この後退にも関わらず、IMFは2013年の成長率が3.3%に上昇すると予測している。
さらに、エジプトの経済パフォーマンスに関するIMFの予測では、来年インフレ率が再び上昇するであろうということが指摘されている。同予測では、今年のインフレ率が9.5%に留まるであろうとする一方で、来年のインフレ率は総計で12.1%に上るであろうとの見通しを立てている。また、同報告書では国際収支赤字が継続すると予測されており、今年はGDPの2.6%に達し、2013年にはその割合は2.1%に減少するであろうとしている。
アラブ諸国に関して、IMFはイラクが今年、アラブ地域の中では最も高い成長率を記録するだろうと予測した。今年の成長率は11.1%と予測されているが、それが来年は13.5%に上昇する見込みだ。それに続くカタールは、今年は6.0%と予測されている成長率が2013年には4.6%になると予想されている。その次のモロッコは2013年に4.3%の成長率が見込まれており、第4位についたのがサウジアラビアで、成長率は4.1%とされている。第5位はレバノンで成長率は4.0%と目されている。そしてアラブ地域における他の国々の来年の成長率は、スーダンの-1.5%からチュニジアの3.5%まで幅があった。総括として、報告書では、産油国は今年4.8%の成長率で、2013年には3.7%に落ち込むと予想されている。対して非産油国は、今年は成長率2.2%を記録すると予想されており、2013年には3.6%に上昇すると予想されている。
IMFのレポートで、中東・北アフリカ局局長であるマスウード・アハマド氏は、以下のように明言した。世界経済の成長率予測値が下方修正されたのは、2011年の後半および、2012年の第一四半期における世界経済の活動レベルが低かったことに帰される。また、石油輸入国は、昨年と今年の2年間に直面した問題を克服することができるだろう。その問題とは、石油価格の上昇と、中東・北アフリカ地域の一部の国々が直面している政治的安定の欠如による観光収入の減少である。さらに、貿易および投資、労働者の送金の流入が減少したが、それはユーロ圏での経済問題が継続していることを反映した要因である。
他の側面から見ると、各国政府の財政状況および政府の総予算・負債状況についての『財政モニター』は、世界の国々の多くが予想外のショックに直面する可能性があることについて警告した。
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( 翻訳者:西方真帆子 )
( 記事ID:26150 )