ニューヨーク・タイムス紙、ギュレン師の影響力分析
2012年04月25日付 Radikal 紙

ニューヨーク・タイムス紙は、フェトゥフッラー・ギュレン師がトルコに影響を与えていると指摘する衝撃的な分析を発表した。

ニューヨーク・タイムスは、「トルコは、アメリカで引退生活を送る宗教家の強い影響力を感じている」と題する一面記事で、アフメト・シュク氏が逮捕されたことはアメリカで生活する、フェトゥフッラー・ギュレン師とかかわりがある可能性があると報道した。さらに、ギュレン師を「何百万もの信奉者や140カ国にある学校により、世界で最も影響のあるイスラム運動の一つのカリスマ説教師」とした。エルゲネコン捜査へも言及した同新聞は、「しかしギュレン運動が巧妙で不透明であるだけでなく、その勢力の拡大が密かに続いているため、次のような疑念がうまれている。すなわち、ギュレン氏の支持者らはより保守的なトルコを作り出すために、反対勢力にたいする「魔女狩り」を行おうとしている、そのために、トルコの司法や警察、諜報機関までをも利用している、との疑念である」との論評を加えた。

■影響力や権力を望んでいることは明らかだ

ニューヨーク・タイムスは、あるアメリカ高官が、「ギュレン運動がベールに包まれているゆえに、不安を感じている。全てゆがめられ、ごまかしだ。彼らが影響力や権力を望んでいることは明らかだ。世俗国家トルコへ挑戦するための隠れた計略が潜んでいるので、我々は不安に思っている。そして、実際トルコはよりイスラム的な方向に進んでいる」と述べたと報道し、ギュレン運動がトルコメディアの強力な勢力(訳者注)と近い関係にあるか、少なくとも、そのメディアはギュレン運動に共感をもっている、と指摘した。

[訳者注:ザマン新聞を出しているザマン・グループを指している。]

同新聞は、ギュレン師と、彼が支持する「移り身が早いポピュリストで、いかなる形であれ自分の権威へ挑戦するものに対し過敏に反応する」レジェプ・タイイプ・エルドアン首相との関係が、時おり緊迫したものとなっていると述べる。なぜなら、アナリストの分析によると、(ギュレン師の影響力で)ギュレン運動を批判する著名人が逮捕され、そのことが政府の面目をつぶしたからである。この結果、エルドアン首相と公正発展党メンバーは次第に、(ギュレン運動との関係に)慎重になったという。ギュレン師の目的は「黄金世代」を作り出すことであると述べるギュレン師の信奉者の言葉を伝えるニューヨーク・タイムス紙は、「2002年から現在までエルドアン政権の権威や力が高まったことが、力のバランスを急進的な形で変化させた」と評価した。

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( 翻訳者:榎本有紗 )
( 記事ID:26180 )