トルコ料理の中で素早いサービスをできるものは?
2012年04月29日付 Yeni Safak 紙

テレビ番組や報道記事などで最近頻繁に登場するニュースの中に、糖尿病と肥満がある…。すべてのニュースで、特にこれらの病気の主な原因の一つとしてファーストフードを食べる習慣の増加傾向があげられる。私自身も、生産者且つ消費者としてこの問題を考えてみた。

■糖尿病や肥満の原因はファーストフードなのか?

毎日、糖尿病と肥満の割合が高まっていることに関するニュースは増え続けている。これらの病気の主な原因の一つとして挙げられるファーストフードに関し、新聞や雑誌の記事を読むことにはもう飽き飽きした。私からすれば、原因は、ファーストフードによる継続的な食生活ではなく、しばしば使う逃げ口上とみれば適切であるだろう。であれば、私たちの健康も、言われているほど(ファーストフードから)否定的な影響を受けることはないだろうと思っている。

■それほど有害であるならば、なぜこれほど売上が高いのか?

しかしこのことを問題とするのではなく、以下のことを問いただしたい。これほどネガティブなイメージの食品会社が、いずれにせよ、日々利益を高め、店舗数も3万店を超えようとしているのだ。これについても、別途説明したいと考えている。

■ファーストフードとはどのような意味か?

「食べ物を早く食べること」と周知されるファーストフードの本来の意味は、早いサービスである。トルコでは、急ぎの食事としても認識されている。正しく理解していない人々は、ファーストフードを「早く食べること」として認識している。このため、多くの人々がこうした食習慣により健康問題を抱えている。

■トルコ料理の中に早いスピードでサービスされる食べ物はあるか?

トルコ料理の中にファーストフードとなるものはあるのか?その答えは、まさにありうる。尚且つ、最高のものともなりうるのだ。では、どうやって?説 明しよう。トルコ料理は、健康的であり、且つ素早いサービスで料理を提供することが可能だ。例えば、メインディッシュ類からはイチリキョフテ(衣で包まれた挽肉の包み揚げ)やドネルケバブ、ラフマージュン(トルコ風薄生地ピザ)、ケバブ、ウズガラキョフテ(トルコ風ハンバーグ)、キョフテサンド、ピデ(トルコ風ボート型ピザ)、そしてトルティーヤラップサンド各種。また小麦粉から作られるものからは、ギョズレメ(ペストリー生地にチーズや卵、じゃがいも、 ほうれん草といった食材を挟んで焼いたもの)やスィミット(ごまパン)、エリシテ(細麺パスタ)、マントゥ(トルコ風水餃子)。デザート類からは、カダユフやバクラヴァ、カトメル(トルコ風薄手パイ)。そして飲料の類からは、トルココーヒーやシェルベト(果実シロップ)、この類いの何百もの食べ物が、素早くサービスすることのできる料理である。

■なぜトルコ料理はファーストフード化しないのか?

上述した料理は一例だが、ではなぜこれらを世界に広めることができないのだろうか?世界はおろか、そもそも私たち自身や子どもたちにさえ、これらの料理を伝え、食べさせることができていない。これらの理由は、非常に簡単だ。

1.マーケティングを知らない
私たちは、製品をよい形で宣伝できないでいる。このため、世界はおろかトルコの多くの人々がトルコ料理を選ばない。

2.製品のスタンダードがどうあるべきかを知らない
小規模経営が主流のため、同じ製品を継続的に作ることができない。

3.生産技術を理解していない
製品の消費期限を延長するために行なわれるべきである食品の保存方法を、私たちは全く知らない。知っていたとしても、それを活用していない。

4.どの製品を、どのようにファーストフードに活用するかを知らない
より正確に言えば、私たちは製品についてよく知らない。どの食品がどのように作られ、どれぐらいの早さで調理され、そしてどれぐらいの時間で提供されるのかを知らないのだ。

5.共有の文化がないために利益を逸している
例えば、私たちは「小さくても、自分が主人でありたい」という考え方でことを進め、いかなる時も拡大し発展することができないでいる。巨大なファーストフード・チェーンのように、3万店舗を超えるような支店は、残念ながら無い。

6.私たちの食事がどれほど健康的であるかを説明できない
例えば、ハンバーガーよりもラフマージュンやキョフテのほうが、よりヘルシーであることを私たちは知らない。ラフマージュンの中に含まれる挽肉やトマト、 ピーマン、玉葱、そしてにんにくに、気づいていない。小麦粉で作った生地が、ハンバーガーのバンズよりヘルシーであり、且つ中に含まれる糖質や脂質といった成分の割合も少なく、そしてこの糖質や脂質の少なさの割にはお腹を満たすものであることを、知らなければならない。

7.ことをグローバルな視点で捉えることができていない
例えば、ドイツでは至る所にドネルケバブの店がある。「トルコのドネルケバブとは何の関係性もない。たとえ回転して焼いていようと、もはや…。」これだけ店舗があろうと、まったく影響力はない。なぜなら、小さな店すべてを集めたとしても、世界的なファーストフード店の1%の割合にさえ届かないからだ。

これらの問題を解決したとき、トルコ料理を全世界に広めることは難しいことではない。人々の健康やトルコ、そしてトルコ料理に貢献することになるだろう。一石三鳥、これ以上のことはない…。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:26242 )