DV殺人事件、検察の落度に調査のメス
2012年05月01日付 Hurriyet 紙

裁判官・検察官高等委員会(HSYK)は、イスタンブルで検察の保護を望んでいたにもかかわらず見て見ぬふりをされ、暴力をふるった夫によって殺されたアイシェ・インジェさん事件について、検察に対する調査許可を下した。

アイシェ・インジェさんは、8歳の娘を4月23日の祝典に連れて行ったあと、離婚裁判中の夫メフメト・インジェに17カ所を刺され、殺された。アイシェ・インジェさんはそれ以前に自分を殴り脅かす夫を訴えていたが、検察は拘束したメフメト・インジェを釈放していた。この知らせを刑事告訴として認めた裁判官・検察官高等委員会(HSYK)は権限のもとにこの件に着手し、調査を開始した。

■インジェさん事件に関するファイルが取り上げられた

裁判官・検察官高等委員会(HSYK)第3法廷は昨日、アイシェ・インジェさんに関するファイルを取り上げた。そして家族の訴えと新聞報道にに基づき、当時裁判官が(メフメト・インジェにアイシェさんへの)接近禁止の処罰を下していたかどうか、司法当局が死の危険にさらされていたアイシェさんに対し、必要な措置を取っていたかどうか、メフメト・インジェの保釈決定とこの決定ののちどのような予防措置が取られていたかなどの調査が行われた。調査後、事件に関係した検察官らについて、取調べを許可する決定が下された。

■ほのめかすような発言

殺人事件のあと、家族・社会政策大臣ファトマ・シャーヒン氏は「我々は全ての権利を与えた、いい加減女性たちを守って欲しい」との談話を発表していたが、裁判官・検察官高等委員会(HSYK)は、昨日、それにも反論した。裁判官・検察官高等委員会(HSYK)は、その発表で、「全ての裁判官と検察官への非難をほのめかすような発言は、司法に対する信頼を損なわせている。一つの事件から飛躍して、そこに何らかの怠慢があったかどうかも確認されないまま、全ての裁判官と検察官への非難をほのめかすような発言がなされることは、明らかに司法への信頼を損なわせうる行為だ。この種の事件に関し発言を行う関係者たちは、司法の独立性と司法への信頼を考慮して、必要な心配りを示すべきであると、皆さんに申し上げたい」と述べた。

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( 翻訳者:門野淑香 )
( 記事ID:26260 )