IMF:アラブ諸国は年間2000億ドルの商品価格補助金を支出
2012年05月03日付 al-Hayat 紙

■IMF:アラブ諸国は年間2000億ドルの商品価格補助金を支出

2012年5月3日 『アル=ハヤート』

【ドバイ:本紙】

「ドバイ国際金融センター」は昨日(2日)、中東地域や北アフリカ、アフガニスタン、パキスタンに関する国際通貨基金(IMF) への経済報告の提出を機にシンポジウムを開催した。シンポジウムは「中東・北アフリカ:圧力下での歴史的変化」と題した。

報告は、政治的変化や緊急の社会的要請、不利な外部環境といったいくつかの要因の結果増幅した、短期のアラブ諸国全体の経済的安定性を脅かす危険性への考察を取り上げる。昨年中はこれらの危険性がいくらか包含されていたが、IMFは、今年に関しては「低迷成長や失業率の上昇、財政的および外部圧力の継続の結果としてのある程度の困難」により特徴付けられると予測した。

同報告書によると、中東地域や北アフリカの石油輸出国、アフガニスタン、パキスタンは石油価格の世界的な高騰の恩恵を受け、ユーロ圏の危機に端を発するグローバルな経済減速の影響を全般的に軽減できた。また、これらの国々のGDP成長率は昨年4%に低下したものの、今年5%に上昇すると予測されている。

同地域における石油輸出国の経常収支の黒字は合計で昨年4000億ドルを記録し、その1年前の2倍に達した。このことが、社会的要請の強さや世界的な石油価格の高騰に守られて、政府支出の継続が非石油部門を支えると期待されている。非石油部門は4.5%分の成長が見込まれている。

湾岸諸国のGDP成長率は、世界的な石油供給の減少を補うために石油生産量を増量したことで、昨年8%に成長した。他の産油国に安定性が回復するとともに、湾岸諸国は通常レベルでの石油生産に戻す予定だ。それにより、成長率は5.3%で安定すると期待される。

また同報告書によると、昨年は中東地域や北アフリカの石油輸入国と、アフガニスタン、パキスタンでは困難が伴ったが、この地域では、社会の混乱や観光・投資二部門の劣化、それに加えてエネルギー価格の高騰や世界的な経済成長の鈍化が経済活動を弱体化させた。そのため、これらの国々の成長率は2.2%に低下することになった。報告書では、雇用機会と送金収入の重要な源となっている民間投資部門と観光部門は緩やかに回復し、地域の石油輸入国の実質GDPの成長率は2.7%に上昇するとの期待感を持っている。ただし、短期的に石油価格の大規模な高騰の可能性の中に、主なマイナス成長の危険性が潜んでおり、それにより生産高や外部株に影響が出るだろうとのことだ。

IMFは、アラブ諸国が商品に対して行っている補助金政策を、地域における財政黒字を浪費し、それがインフラや教育、健康といった他の部門への支出の割合に影響するとみなし、批判した。その支援額は年間2000億ドルにまでのぼる。また、IMFは石油輸入国の外部融資の必要性を強調し、その額は今年で約900億ドルに、来年には1000億ドルに達することを期待している。それらの国々は適当な時期に公的融資を得ることを必要としていると述べた。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:26279 )