イラクに密輸される水牛たち
2012年04月30日付 Jam-e Jam 紙


【イラン部:ファーテメ・モラードザーデ】大昔から水牛の畜産に従事してきたアフヴァーズの水牛農家のなかには、近年、様々な問題や圧力が原因で、この乳牛をイラクに違法に販売・密輸し、家畜の飼育よりも販売に重点を置く者が現れている。

 水牛の飼育と世話は、この動物が人に馴れないことから、あまり利益にはつながらない。現在、〔畜産業者の間では〕生産サイクルからこの動物を排除する流れが進行中である。

 こうした状況のなか、フーゼスターン州、さらには国の乳生産の多くの部分を背負ってきた伝統的畜産業者に対する保護政策の欠如が原因で、イラク向けにアフヴァーズの水牛が販売・密輸されるのを、われわれは目の当たりにしている。

 こうした事態を、アフヴァーズ県農業ジハード局長も認めており、同局長はアフヴァーズではこの種の家畜が不足していることに言及して、メフル通信に次のように語っている。「水牛の飼育の現状、さらには水牛農家の前に立ちはだかる問題が原因で、アフヴァーズのクート・アブドッラ―地区、およびクーイェ・マシュアリー地区の多くの水牛農家は、この家畜をイラクの畜産農家たちに密売している」。

密輸の原因に畜産農家が直面する様々な問題

 アブドッレザー・ニースィー局長は、イラクにおける家畜の販売価格がアフヴァーズの価格の2~3倍であることを指摘し、「この地域の水牛農家たちは、この機会を利用して、家畜の密輸およびイラクでの水牛の販売を行っている」と付け加えた。

 同氏は、〔アフヴァーズ〕地域における水牛飼育の減少はイラク向けの家畜の違法販売が影響していると述べ、「飼料価格の高騰、水牛の飼育の難しさ、そして〔アフヴァーズ〕市内での水牛農家たちに対する規制などが、彼らが家畜を手放そうとする傾向につながっているのである」と指摘する。

 ニースィー氏は、水牛農家保護の観点からなされている政策に言及しつつ、「アフヴァーズの畜産家のための融資制度があるものの、今のところ、アフヴァーズにいる217の水牛農家の内、たった12人しかこの融資を利用できていない」と付け加えた。

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( 翻訳者:8410111 )
( 記事ID:26347 )