抗議かと思ったら大歓声―エルドアン首相、パキスタン議会で演説
2012年05月21日付 Milliyet 紙


エルドアン首相は、パキスタン国会でスピーチを行なった。

見慣れた机を叩く行為はトルコでは抗議の意味になるが、パキスタンでは拍手の意味になるらしい。

エルドアン首相がパキスタン国会でスピーチを行なうと机を叩いて拍手が起き、不思議な時間が流れた。

パキスタンでのエルドアン人気は国会に留まらない。街角はエルドアンのポスターで飾られた。

エルドアン首相は、パキスタンの国会議員に向けてスピーチを行なった。首相はパキスタンとトルコの兄弟愛から貿易関係にいたる多くの話題に触れ、机を叩くという独特な方法で議員たちから拍手を受けた。

エルドアン首相のスピーチの概要は次の通り。

■野党の目的は与党の批判だけではない。

国民の支持を得た議会ならば何事も成し遂げることができる。国民による政治から得られた力は、国民への奉仕のために使われなければならない。今日のトルコの経済・政治におけるパフォーマンスの背後には、法と経済の包括的な改革が存在する。政権は国民から大きな責任を託されている。民主主義では野党が重要である。野党の目的は与党の批判だけではない。野党の目的は、(与党が)間違いを犯したときに正しいことを言うことだ。

■トルコはいつもパキスタンを兄弟と見なしてきた。

トルコは歴史の流れの中で、パキスタンを兄弟国と、パキスタン国民を兄弟と見なしてきた。パキスタンの痛みを我々の痛みとして、パキスタンの喜びを我々の喜びとして感じてきた。今日の我々の兄弟愛は、歴史的出来事の数々によって強化された。
我々はここで我が家にいるように、親戚の家にいるように感じている。この特別な絆は我々に、我々の関係をあらゆる分野で強化させる責務を課している。我々の団結に比するものはない。我々の経済・貿易関係を加速させるためにできる限りのことを実行しましょう。

■パキスタンはテロとの戦いにおいて独りではない。

トルコ‐パキスタン間の貿易を200万ドルまで増やしましょう。教育に関する協定をより高いレベルで議論しなければならない。我々はパキスタンのテロとの戦いについてよく知っている。パキスタンはテロとの戦いにおいて独りではない。テロの苦痛を味わった国として、我々はいつまでもあなた方の傍にいる。我々は中東地域の平穏と安定のためにあらゆる努力をしている。
我々はパキスタンがアフガニスタンで行なっている貢献活動を関心をもって見ている。パキスタンとトルコは中東地域の二大勢力である。我々は地域と世界の平和に貢献している国だ。

■国民の意思に逆らってはならない

我々の兄弟愛ゆえに、我々は団結せねばならない。我々の絆は、「神を信じるものは兄弟だ」という原則である。
このことは、言葉だけでなく行動によって、実現される。我々は互いに行動を示さなければならない。
我々はイスラム世界で起きていることみているが、残念だというしかない。チュニジアで始まりシリアやイエメンで続いている混乱・・・。強力なイスラム世界というものが存在すれば、これらを平和的に解決することができるだろう。私はここに重い責任を感じている。国民の意思に逆らうことはできない。我々は、国民の意思を、敬うべき決定的な意思だと考えている。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:26461 )