「教師は働かない」発言で教育労組、首相に謝罪要求
2012年05月26日付 Milliyet 紙

エルドアン首相は先日、教師は公務員より働いていないのに、より高い給料をもらっていると発言。首相のこの発言は教師らを悲しませ、彼らはエルドアン首相に謝罪を要求している。

ワタン紙の情報によれば、エルドアン首相が教師らに対し、「少ない労働で、休暇は多い、さらにほかの公務員より給料は高い」と発言したことが、教育者らの反感を買っているという。教育労組は、教師らに謝罪をするべきだと認識している。

エルドアン首相は、教師らが賃上げ交渉で良好な結論を得られず、その後、公務員らとともにストライキをおこなったことに関して教師らを非難した。首相は、教師らの労働量は少なく、休暇は十分で、他の公務員より多くの給与を得ていると発言し、教育界の大きな反感を買った。エルドアン首相は、教育界で最も手厚く保護されている層が教師であるとし、「彼らに残業代として100リラの手当てを与えるとしましょう。教師は最低でも1624リラの給与を得ています。100リラの対価は何でしょうか?週に15時間の労働です。さて、一般公務員は100リラを得るのに週にどれだけ働けばよいか。40時間です。40時間働いてもこの数字に満たない者もいます。教師は課外授業を行えば、その分の手当てを貰う。さらに休暇もつく。1年に2ヵ月。一般公務員の休暇は20日です。さて、ここでお伺いします。これは不公平ではないのでしょうか?今後、審理委員会に持ちこまれ、最終決議が下されるでしょう」と述べた。これらの発言に対し、教育労組はエルドアン首相の謝罪を要求している。

■「全教師へ謝罪するべき」

トルコ教育者労働組合のイスマイル・コンジュク会長は、「エルドアン首相は全教師に謝罪すべきだ。教師らは、授業時間以外にも働いています。課外授業手当に関しては、わが国では全教員が課外授業手当を受け取るわけではありません。クラスを受け持っている教師のみ課外手当をもらうことができるのです。また、課外授業は学期内でのみ行われるものです。他方、経済協力開発機構(OECD)の報告書において、わが国の小学校教員一人当たりの給与は年間2万5,536ドルです。同報告書では、ルクセンブルクでは教師の年間給与は5万1,799ドル、デンマークにおいては4万6,950ドルであるとされています。また、偉大な指導者アタテュルクの言葉を思い浮かべるとよいでしょう。アタテュルクは「閣下、職員の給与を是正しようと思いますが、いくらにいたしましょうか」という問いに対して、「教師の給与を超えないように」と答えたのです。」

■「EU諸国では就業時間はより少なく、給与はより高い」

教労組のウンサル・ユルドゥズ会長のコメント。「エルドアン首相の言葉を残念に思います。エルドアン首相は、教師の給与が多すぎるとおっしゃいました。しかしEU加盟国の現状をまったく無視していると思います。現在EU諸国では教師の月給は最低でも2000ドルです。この数字が最低値であり、またトルコに比べ授業量は30%少ないのです。つまり彼らはより多くの給与をもらう割に労働量は少ない。このことは我々の尊厳を奪い、孤立化させるものです。いかなる職種もそれぞれに適切な仕事の形態があります。教育従事者は最高43日の休暇があります。これ以外の休暇と言われる時間は、授業以外の時間です。この期間にはセミナーや、授業の準備、試験などがあり、教師らはこれらの活動を行っているのです。

■「エルドアン首相は教師らに多大な屈辱を与えた」

また、別の教労組合「Eğitim-Bir-Sen」の広報秘書アリ・ヤルチュン氏は「エルドアン首相は間違った報告を受けているのだと考えています。教師の労働時間に関して首相が持っている情報が正しいものではなく、誤解を導きかねないものだと。教職は、教室に入ってから出るまでで測れるような職業ではありません。いろいろな職業のなかでも、仕事を家まで持ち帰るのは教職だけです。
平等の名のもとに、平等をもたらすことの出来ない官僚がそこに罪を押しつけようとしています。そして、自身の弱点を隠すために首相に真実とは異なる報告を上げ、組合の正当な要求を覆い隠すために、エルドアン首相に不正な報告をしたのではないかと考えています。このように、この問題に正しくアプローチされていないことで、エルドアン首相が教師らに多大な屈辱を与え、傷つけたと言わねばなりません。」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:26509 )