レバノン:中高生ら、「科学コンペティション2012」で活躍
2012年05月27日付 al-Hayat 紙


■レバノンの生徒ら、ロボット、天体、太陽光などの研究で競い合う

2012年5月27日『アル=ハヤート』

【ベイルート:アフマド・シャウラーン】

「レバノン科学研究協会」が9年前から毎年精力的に実施している「科学コンペティション2012」が幕を閉じた。それに際し、ハッサーン・ディヤーブ教育大臣は、文部省が公的機関や民間機関の科学的活動対し、支援を行うと強調した。また、同大臣は、ナジーブ・ミーカーティー首相に代わって、科学的思考を感化し、創造力を表出させたことに対する同協会の努力を評価した。

ロボット工学コンテスト

「科学コンペティション2012」には、中学・高校の両課程から126校が参加した。各学校は、ロボット工学、情報通信技術、科学モデルの製作、天体研究、その他の複数のプロジェクトで競った。

最終日には、大規模な科学エキスポで開幕、243のプロジェクトのうち、決勝に進出できた46のプロジェクトがこれに含まれた。生徒や教員らは、暫定的、政策的な障害にもかかわらず出席した。プロジェクトは、「ユネスコ・パレス」のホール二つを占有し、60人以上の教授陣を含む審査委員会によって、審査が行われた。

ベイルートの「マドラサ・アル=カウサル」の生徒らは、調査協力者から抽出したサンプルに対し統計調査を行い、ミントに含まれる「メントール」という物質が、脳細胞の働きを活性化すると明らかにした。「リセ・フランス・ハッブーシュ」校の生徒は、太陽光で動く浄水化装置を発明した。「サイイダ・アル=ジュムフール」校の生徒らは、自動ピザ調理装置の製作に成功した。同生徒らが、ピザ生地をセンサーに接続された三つの小さな鉢に投入すると、決められた量の香辛料とピザの材料がその上に空けられ、すべての準備が完了する。その後、小さな電気オーブンに投入される。一日の終了に際して、レバノンでトップレベルのプロジェクト11件に対し、表彰が行われた。

「レバノン科学研究協会」の代表は、レバノンの教育システムが、二つの目標に向かっていると述べた。その目標とは、テクノロジー活動や知識経済の形成に到達する、国民の融合と社会的多様性に基づいた教育と、科学的思考の発達に対する教育だ。

代表は、人々の役に立たない科学、人間開発の分野に挑まない科学、人間関係を守る概念に影響を与えない科学、産業やテクノロジーを推進させない科学は、社会的な贅沢品や商売・宣伝のための道具以上のものではありえないと語った。また、これは、そのような科学が、依存性や消費社会のために機能していることを意味すると述べた。また、国家目標に向けてより大きな役割を果たすために、科学コンペティションへの支援を訴えた。またこの機会に、ハッサーン文部大臣は、クウェートで行われた「第4回国際発明展」で入賞した学生の発明家たちを賞賛した。アンドリュー・マーリクが彼らを代表して映画の上映とともに、これについて語った。

閉会に際して、同コンペティションのラドワーン・シャイーブ審査委員長が、結果を発表した。高校生部門の「天体プロジェクト賞」は、天体の複雑性を示す模型を展示した「公立ジャミール・ラワース中学・高等学校」の生徒らに送られた。「アシュバール・アッ=サーヒル中学・高等学校」が展示した太陽光エネルギーに関するプロジェクトは、中学生部門の最優秀賞を獲得した。

ロボット部門では、ロボットの運動能力に焦点をあてたプロジェクトを展示した「公立スワル共学中学・高等学校」のアリー・ユースフ君、ムハンマド・ヤッタスィム君の両生徒に、大学奨学金が送られた。

「ウルトラ・ソニック・アイ」プロジェクトを展示したザハラの「アル=インジーリーヤ中学・高等学校」の生徒は、情報通信技術部門のレバノン大学賞を獲得した。また、「アッカールのアル=イーマーン・アル=イスラーミーヤ中学・高等学校」の生徒が展示した携帯通信アプリケーションに関するプロジェクトは、入賞を果たした。

「レバノン国際大学」は、情報科学についてのプロジェクトを展示した「アッ=ラウダ中学・高等学校」の生徒らに賞を授与した。また、「レバノン・リセ・フランス」校の生徒が展示した太陽光エネルギーに関するプロジェクトは、入賞を果たした。また、「医療ロボット」プロジェクトに対して、賞が授与された。その他に、「アル=マフディー・バイト・ジャビール中学・高等学校」の生徒らが制作した筋肉の治療を補助するロボットに対しても、賞が授与された。

科学研究では、順位競争が激化した。レバノン科学研究委員会のムイーン・ハムザ事務局長は、通学用のかばんが生徒の体に与える影響についての研究に対し、委員会賞を授与した。また、「科学コンペティション2012」は、環境汚染危機に対する電磁波の利用可能性について、「イーサー・ブン・マルヤム中学・高等学校」の中学生らが展示したプロジェクトに賞賛を送った。

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( 翻訳者:井上剛 )
( 記事ID:26515 )