「国境なき音楽」が「パレスチナの精神」を世界に伝える
2012年05月29日付 al-Hayat 紙


■「国境なき音楽」、東西のメロディーが「パレスチナの精神」とともに世界を旅する

2012年5月29日 火曜日 『アル=ハヤート』

【ラーマッラー:バディーア・ズィーダーン】

去る日曜日の夕方にハイファの「マイダーン劇場」で、またその翌日にはラーマッラー文化宮殿ホールで、様々な趣の音楽の演奏が、パレスチナを含む複数の国々から来たミュージシャンや歌手たちによって行われた。これは、「オリエント・ダンスシアター」財団による「国境なき音楽」のプロジェクトの枠組みの中でのものであり、その本拠地は占領地西岸のラーマッラーにある。
パレスチナは14カ国、33人のミュージシャンたちの音楽芸術イベントの発信基地であった。彼らはパレスチナ管轄府の招待で、プロの芸術作品を作り出す世界的なネットワークを形成し「国境なき音楽」を通じて、ラーマッラーとハイファから最初のステップを踏み出すために集まった。

ハイファからの発信として、西洋音楽の多様な様式とともに、パレスチナ音楽・アラブ音楽・オリエント音楽を合わせた演奏がマイダーン劇場が迎え入れた夕べの会で披露された。さらに、次にはラーマッラー文化宮殿ホールでも演奏会が行われたが、このあと「音楽による支配」と表現される巡回演奏会が、今年5月から来年8月にかけて、アメリカ、ヨーロッパ・アフリカ各国で催される。演奏会は、それぞれの、趣の異なった国において、その国の独自の音楽要素を基に行われるが、パレスチナでは、エルサレムと英国の間を行き来するパレスチナ人アーティストのバースィル・ザーイドが演奏の指揮をとる。
 
ザーイドは言う。「このプロジェクトは、多様な音楽の形態をもって、曲や歌を披露しようというアイデアから始まりました。たとえば、ジャズやスペインのジプシー音楽、インド音楽、アルジェリアの歌やオリエント音楽です。私たちは、私たちが集めうるこれらの音楽スタイルを混ぜ合わせ、パレスチナの精神に近い趣を出そうと試みました。
特にサナ・ムーサが加わってくれるのは、この枠組みの中ではさらに重要なことです。」

パレスチナには、パレスチナとアラブ、そして世界中から世代・文化的背景の違う20人近いアーティストが集まった。全てのグループが「国境なき音楽」プロジェクトへの参加を阻む様々な困難にも関わらずである。あるものは、個人的な理由、またその他のあるものは政治的理由による困難があり、その中には占領地政策に関係した理由があったのであるが。演奏はフラメンコとジャズ、インドとオリエントの音楽、パレスチナを含む参加国の伝統歌謡などで、パレスチナ、アルジェリア、インド、スイス、ノルウェー、スペイン、アメリカ、ドイツ、スウェーデン、イタリア、ベルギーの演奏家・歌手が参加している。パレスチナの代表者は、調整やこの音楽の協力事業の結果の発表に責任を持つという背景はあるが、参加国のすべての演奏家は、そのアクションに対して、一般的な芸術の様式や枠組みに独自のビジョンを持っている。

(後略)

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( 翻訳者:榎本飛鳥 )
( 記事ID:26539 )