ベルギーのブルカ女性「逮捕」騒動、続く―密告者に報奨金?
2012年06月05日付 Radikal 紙
顔を覆い隠す衣装が禁止されたベルギーでは先週の警察のブルカ着用女性に対する干渉を発端とする緊張状態が続いている。
ブリュッセルで公共交通機関の取り締まりを行っていた警官隊はステファニ-・デジャト(25)という女性のブルカを脱がそうと試みたが、彼女は抵抗し、干渉してきた女性警官2名との乱闘で互いに軽傷を負った。
その後、ムスリムであると判明したベルギー在住のステファニーさんは出頭先の法廷にて釈放されると、「ベルギーにシャリーアを」(Sharia4Belgium)という過激組織の幹部らと共に記者らの前に現れた。
ステファニーさんの抵抗、及び彼女に干渉してきた女性警官1名の鼻を骨折させ、別の女性警官の歯2本を折った事を「一同誇りに思っている」と伝えたSharia4Belgiumのフアド・ベルカジェム報道担当の「負傷した警官は美容整形手術を受ければよい。西欧人女性は性的対象として見られたいと思っている」との発言は反発を呼んだ。
他方、ブリュッセルで北アフリカ系住民の割合が高いモレンベーク地区で警察署に侵入しようとしたSharia4Belgiumのメンバーらと警官との間で対立が起こり、同地区にある喫茶店において行われた強制捜査で13名の組織メンバーが逮捕された。
ベルギーの「イスラム・サービスセンター」という名称の擬似裁判所で、離婚を含めた家族問題における決定及びシャリーアに基づく認可を下しているとされる逮捕された組織メンバーのうち12名は同日6月5日に釈放された。
「敵意と憎悪を煽った」罪に問われた容疑者ヒュセイン・E(21)は、6月8日金曜日に出廷予定であると伝えられた。
この騒動は、ベルギーのムスリム全体の統合に関する議論を激化させる一方、ジョエル・ミルケ内相は、「少数過激派の行為がベルギー在住の全ムスリムに起因するものと結論づけてはならない」と良識ある声明を発表した。
同内相は、過激組織を禁止し、過激化を煽るインターネットサイトへのアクセスブロックに向けた法改正を実施すると伝えた。
他方、極右派を筆頭としたベルギー人政治家の多くが、間近に迫った地方選挙を前により一層緊張を高めることで得票しようと模索している。
■ ブルカ着用女性を通報した者に250ユーロ
人種差別主義政党「フランドルの利益」の党幹部であるフィリップ・デューインター議員は、Twitterの声明の中で、ブルカ着用女性を通報した者に250ユーロの報奨金を約束した。
昨年ブルカを禁止したベルギーでは、顔を覆い隠す衣装を着用し外出した者に対し137.5ユーロ(約13,660円)の罰金と約7日間の禁固刑が科される事となっている。
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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:26625 )