マカーレム=シーラーズィー、マッダーフたちの振る舞いを批判「サウジでの処刑は殉教とは言えない」
2012年06月14日付 Mardomsalari 紙
アーヤトッラー・
マカーレム=シーラーズィーは、「政治問題は巡礼及び信仰上の問題とは別であり、巡礼とはいかなる関係もないということを、サウジアラビア当局に理解させなければならない」と述べた。
アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはゴムにある自身の事務所で行われた巡礼参詣庁長官との面会の中で、「政治問題は巡礼及び信仰上の問題とは別であるということを、サウジアラビア当局に理解させなければならない。巡礼者たちに対して彼らが友好的に振る舞えば、政治問題にも肯定的な影響を与えるということを、彼らは知るべきである。彼らが我が国の巡礼者たちに友好的に接すれば、〔イランとサウジの間にある政治的〕距離は縮まり、疑念も好感に変わるというものである」と述べた。
マカーレム=シーラーズィー師は、一部の参詣者がサウジアラビアの治安部隊に〔取り締まりの〕口実を与えていると指摘し、「残念ながら、一部のマッダーフたちや説教者たちは、〔メディナにある〕預言者と無謬なるイマームたちの廟のそばでも、イランにある聖地にいるときと同じように、自由に振る舞えると考えている。あるいはこの国での一部の行動が、勇敢な振る舞い、ないし預言者一族への奉仕であると考えている。しかし、彼らの振る舞いはイマームたちのご命令に反した行為なのである」と語った。
※訳注:「マッダーフ」とは、シーア派のイマームたちの悲劇などを、聴衆の涙を誘うような抑揚・リズムを付けて謳い上げる人たちのこと。こうしたシーア派特有の慣習は、スンナ派、特に偶像崇拝の徹底的排除など、厳格なイスラーム解釈を信条とするワッハーブ派にとっては異端的行為として非難される。ここでマカーレム=シーラーズィーが批判しているのは、一部のシーア派信徒が、ワッハーブ派を国教とするサウジアラビアで、ワッハーブ派にとって異端的と映るような行動を行い、サウジ当局を挑発していることに対してである。
マルジャエ・タグリード(シーア派の宗教最高権威)である同師はさらに、「彼の地で〔イマームたちの悲劇やスンナ派カリフの非道など、宗教・歴史上の〕一部の問題を表明することは、シーア派信徒にとって困難な状況を惹起し、〔シーア派を非難するような〕一部のファトワーを〔スンナ派の宗教指導者に〕出させる誘因となる。あるいは、一部のシーア派信徒の血が流れる原因を作りかねない。彼らはシーア派信徒に対して厳しい態度を取っており、シーア派信徒が投獄されたり、死刑に処せられたりすることもある」と加えた。
同師はさらに、イラン人巡礼者たちがサウジアラビアに麻薬を持ち込んでいることについて、実に不快な問題だとした上で、「我々にとってきわめて不名誉なのは、巡礼者がモノをサウジアラビアに持ち込み、それが当局に見つかって、その巡礼者が投獄されてしまうことである。〔イランの〕当局者たちは必要な勧告を〔巡礼予定者たちに〕行うなどして、このことに注意を払うべきだ」と語った。
アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはまた、巡礼者たちが倫理上の問題、特に女性のヘジャーブの遵守について、「かつては〔イラン人女性の〕ヘジャーブは好ましい状態にあったと言われている。スンナ派の説教師の中には、イラン人のヘジャーブを〔すばらしいと〕宣伝する者もいたという。しかし今では、状況はその逆になっている」と指摘した。
同師はまた、巡礼者らの間に反シーア派的なワッハーブ派の書籍が配られていることについて指摘し、「巡礼参詣庁の当局者たちは、彼ら〔=サウジ当局〕との話し合いで、参詣者たちはあなた方の客人であり、あなた方が彼らにヴィザを出したということは、彼らを受け入れたということである、ということをしっかりと申し入れるべきだ。客人を受け入れておきながら、彼らの信仰を侮辱し、その一方で彼らに弁護の許可を与えないというようなことが、一体どうしてありうるだろうか」と述べた。
マカーレム=シーラーズィー師は、土産物を買おうとするイラン人たちで〔サウジの〕バーザールがごった返していることについて触れ、「私がいつも巡礼者たちに勧めているのは、他の場所にはないもの買い求めなさい、ということである。どこにでもあるようなものを買い求めてはいけない。これは〔国の〕スローガンとして掲げられるべきことだ」と述べた。
※訳注:イランでは国内生産の振興という観点から、宗教指導者たちは国民に国産品を進んで買うよう、しばしば呼びかけている。
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( 翻訳者:8410039 )
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