国境警備司令部の公式統計によると、昨年〔西暦2011/12年〕国内で発見されたアルコール飲料の総量は〔その前の年の〕1389年〔西暦2010/11年〕に比べて69%増加し、今年〔2012.3〜〕に入ってすでに90人以上がアルコールの摂取によって命を落としたという。
イラン学生通信(ISNA)によると、アルコールの濫用増加への懸念と、アルコール依存症という現象への注意の必要性が取り沙汰されている一方で、最新の統計では、ホルダード月〔5/22〜〕に入ってほんの11日間で、国内ではアルコール中毒で7名が死亡、17名が中毒症状を発症したという。
保健省のアリー・レザー・メスダーキーニヤー次官はこの件に関して、次のように述べている。
残念なことに、今日、アルコール摂取のような一部の不良行為が社会で増加しているのを、われわれは目の当たりにしている。このような行為はどのような社会にも存在しているとはいえ、我が国ではこうした現象〔=飲酒行為〕はシャリーアや倫理上の禁制によってハラーム、つまり禁じられているのであり、こうした行為が生じれば生じるほど、それは社会における規範の乱れと見なされ、きわめて破壊的な影響を〔社会全体に〕及ぼすものなのである。
同氏は社会でアルコールが蔓延する最も重要な原因について、「社会におけるアルコールの蔓延を促す最も根本的な要因は、個人的要因である。一部の人は自らの挫折感をこうした方法で相殺できると考えている。彼らが社会で無規律な行為に走るのは、こういった理由からなのである」と指摘している。
■ アルコール飲料対策に向けた保健省の取り組み
アルコール摂取の危険に関する警鐘が保健省によって鳴らされる中、「〔アルコールや麻薬などの〕薬品濫用予防ロードマップ」」が作成され、この重要問題への対策の必要性が強調されている。
保健省政策評議会のバーゲル・ラーリージャーニー議長は、この件に関してこう述べている。
この計画で取り上げられている重要な問題の一つに、アルコール依存撲滅キャンペーンがある。われわれは真剣な姿勢で、この問題に臨む必要がある。というのも、今でも一部の店で入手可能なこの種のモノについて、無関心でいることはできないからだ。
同氏は国内の一部の地域では、アルコールの濫用に関する数字が高まっているにもかかわらず、この問題にあまり注意が払われてこなかったと強調した上で、「こうした問題に対して問題意識を持つべきだ。糖尿病や心臓・血管疾患といった病気以上に、この問題に注意を払う必要がある」と語った。
関連記事(保健省政策立案評議会議長、テヘランにおけるアルコール消費の広まりを懸念)
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:8410016 )
( 記事ID:26810 )