閣議終了後、ビュレント・アルンチ政府報道官は先日のヒュッリイェト紙の報道を正しいと認め、シリアによって撃墜されたトルコ軍戦闘機の救援にあたったトルコ軍CASA機も地上から攻撃を受けていたことを明らかにした。
シリアによるトルコ軍機撃墜を議題に閣議は7時間に及んだ。この会議では空軍軍事行動局長のアテシュ・メフメト・イレズ少将がこの件に関する詳細な状況説明を行なった。会議終了後、アルンチ政府報道官は、先日ヒュッリイェト紙にてセルカン・デミルタシュ氏の署名で報じられたニュースを正しいと認め、次のよ うに説明した:
「最初の救援活動では、インジルリキやマラトゥヤといったトルコ軍基地からヘリコプター4機、船2隻、そしてヘリコプターを積載した船が救援に駆けつけた。その後からCASA機1機と別の救援隊も現場へ向かった。遺憾ながらCASA機は地上から攻撃を受けた。事件の報告が入ると、外務省と参謀司令本部はシリア政府に連絡し、攻撃は直ちに中止された。
■トルコの素早い対応
撃墜された航空機は偵察機であったが、その日の任務は偵察とは違った。航空機の任務は、我々のレーダーのこの地域における可能性や性能を日常的にテストすることであった。シリアは、トルコ軍戦闘機は高射砲によって陸から100メートル離れた地点で攻撃されたと主張している。一方でトルコ側は、陸から13マイルの国際空域で攻撃されたと発表している。レーダーの記録はトルコ側の主張が正しいと裏付けている。13マイルの距離では、どのような高射砲も目標物に届かない。シリアの主張は事実と相反している。もしトルコ戦闘機が陸の近くで撃たれたならば、その残骸はもっと浅瀬で見つかるはずだ。
■赤外線誘導ミサイル
シリアがトルコ軍戦闘機を国際空域で意図に攻撃したことに疑いの余地はない。手元にあるデータは、トルコ機がレーザー誘導ミサイルもしくは赤外線誘導ミサ イルによって地上から攻撃されたことを示している。トルコ機のレーダーが早めに警告を発しなかったことから、攻撃にレーザー誘導ミサイルは用いられなかったと推測される。シリア側が事前警告をせず戦闘機を攻撃したことは、極めて敵対的な行為である。ここのところシリアはトルコの空域を5回侵犯している。これら全てに対し、トルコは外交手段によって、武力を用いることなく解決してきた。
■宣戦布告するつもりはない
国際空域で起きたこの事件に対し、我々は報復する権利を含む国際法に基づくすべての権利を保留している。シリアの攻撃に対し、我々はいずれ特定の時と方法によって極めて慎重に対応する。我々は戦争を声高に叫んだり、強硬な言説によって大衆を先導することは間違っていると確信している。必要なことはすべて必ず法の枠内で行なわれる。しかし誰にも宣戦布告するつもりはないし、誰とも戦争する意図はない。」
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:26836 )