アーヤトッラー・タバスィー、イスラーム共同体を待ち構えるワッハーブ派の危険について警告
2012年06月25日付 Mardomsalari 紙
「われわれは賢明に行動すべきであり、緊張を惹起してはならない」
宗教学者でイスラーム神学校と大学の両方で教鞭をとるアーヤトッラー・タバスィーは、シーア派には強力な論理性があると指摘した上で、宗派間の緊張を回避し、賢明に行動する必要性を力説した。同師はまた、ワッハーブ派とスンナ派を弁別し、ワッハーブ派はシーア派とスンナ派双方にとって共通の敵であるとの認識を示した上で、ワッハーブ派は衰退に向かっていると説いた。
アーヤトッラー・ナジュモッディーン・タバスィーはShafaqna(シーア報道協力国際機構)通信の記者とのインタビューの中で、「純粋なイスラームとはシーア主義のことであり、預言者一族に付き従うことである。それ以外は一切、〔本来のイスラームからの〕逸脱だ」との見方を示した。
同師はその上で、シーア派ならびに預言者一族の信奉者たちが過酷な攻撃に晒された二つの時代について触れ、次のように述べた。
一つは、呪われしウマイヤ朝による支配の時代、特にシーア派に対して卑劣な攻撃を行ったムアーウィヤの統治時代である。そしてもう一つは、現代である。今やバチカンにはじまり、ホワイトハウス、シオニスト、CIA、さらにはサウジアラビア、ワッハーブ派に到る全てが、互いに共謀して、ムハンマド的純粋イスラームであるところのシーア派に対して、戦争を仕掛けてきているのである。
イスラーム神学校と大学の両方で教授を務める同師は、シーア派に対して苛烈な攻撃が加えられているにもかかわらず、シーア派は力の絶頂にいると述べた上で、こう続けた。
「アリーの党」(シーア派)がいないような場所を世界で見つけることは、今や不可能だろう。だからこそ、私の考えでは、敵によるこのような攻撃は、〔敵の〕一種の反作用、反動なのであって、敵が敗北を喫して地団駄踏んでいることの現れなのである。何故なら彼らは、将来シーア派〔の力〕がこれほどの絶頂に達するとは、まったく想定していなかったからだ。
同師はさらに、次のように述べた。
見たところ、過去200〜300年の間に印刷されたであろう〔シーア派関連の〕書籍の数は、復刻版であるか新刊本であるかにかかわらず、この数年のうちに印刷された書籍の数に及ばないように思われる。今やシーア派について書かれた本が置かれていない図書館など、世界のどこにも存在しない。よって、シーアの文化は広まりつつあると言えるのである。シーア派の神学校は〔世界中で〕発展と拡大を続けている。それもこれも、これらの神学校が政治や文化、社会の表舞台に積極的に参加しているためなのである。
アーヤトッラー・タバスィーは、ワッハーブ派が過去から現在に至るまで、自分たちこそイスラームの権化だと主張してきたことについて触れ、「〔‥‥〕彼らは自らの信仰の歪みと逸脱にもかかわらず、いまだに自分たちこそイスラームの指導者であると主張しようと躍起になっている。しかし、〔‥‥エジプトやチュニジア、バーレーン等における〕イスラーム教徒たちの目覚めは、ワッハーブ派の顔に泥を塗り、彼らを孤立へと追いこんでいるのである」と指摘した。
同師は、ワッハーブ派は現在、孤立へと追いこまれていると指摘した上で、「もし何らかの障害や問題の存在を今日目にするとしても、それはシーア派だけに存在するものではなく、イスラーム共同体全体の問題である。それは敵が作り出した障害であり、ワッハーブ派の袂から出てきた〔=ワッハーブ派が主導する〕陰謀であって、自分たちを安全にしながら、イスラーム共同体とその大地を混乱へと陥れることを目的としている。こういった陰謀がワッハーブ派の手で行われ、彼らがいわば敵の露払いのような役割を演じていることは、きわめて遺憾なことである」と語った。
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( 翻訳者:3411015 )
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