アサド大統領インタビュー(3)すべて、想定外
2012年07月05日付 Cumhuriyet 紙

インタビュー1:撃墜事件はおこるべきではなかった
インタビュー2:エルドアンは神の啓示でも得たのか?
インタビュー3:すべて、想定外
インタビュー4:トルコも痛い目にあう
インタビュー5:「アラブの春」は世俗政権を脅かす

アサド大統領は、シリアで「毎日何十人もの罪のない人々や子供が亡くなっている」という指摘に対し、反政府派が武器と暴力で鎮圧されていることについて、自政権が過ちを犯すこともありうると答えた。アサド大統領は、「しかし外国の介入による損害は、我々の過ちよりも甚大だ」と述べた。アサド大統領は、自宅で3人の子供と現状について話していると述べ、「子供たちはそれらの光景を見てショックを受けている」と話した。

シリアのアサド大統領は、国内で起こっている反政府デモが武器と暴力で鎮圧されていることについて、自政権にも過ちがありうると述べ、「しかし外国の介入による損害は、我々の過ちよりも甚大だ」と述べた。アサド大統領は反対派を「テロリスト」と呼び、シリア国内での暴力をトルコのテロとの戦いになぞらえ、「あなた方は自己防衛をしないのか?同じ事を我々もする権利がある」と話した。アサド大統領は、デモや衝突が15ヶ月続いているにもかかわらず政権を維持していることについても、「民衆の支持がなければ、私も政権を維持できなかったイランのパフラヴィー・シャーのように、失脚させられただろう。誰もが私が失脚すると考えたが、すべての想定が外れた」と述べた。

■「民衆の支持がなければシャーのように失脚させただろう」

アサド大統領は、ジュムフリエト紙に宛てたルポルタージュで、国内で起こっている状況に関する我々の質問にも次のように答えた。

―あなたはトルコ政府と市民を区別しようとしていますが、トルコ国民はあなたの政府のもとで、シリアで物事が間違った方向に進んだと考えています。シリアでは何十人もの罪のない人や子供が、毎日亡くなっています。この痛ましい光景をどうやって終わらせるのですか?

―イランのパフラヴィー・シャーを覚えているだろうか。この地域の最も重要な国のトップで、強力な軍隊を持ち、世界中から支持されていた。さて、彼は民衆の前に立ち続けることができただろうか?答えは否である。私も同様の状況に置かれれば、つまり民衆がいなければ、私も政権を維持できず、失脚させられただろう。なぜ私は今もこの地位にあるのか?シリアではこの15ヶ月、あなた方の言うような出来事が起こっている。私が短期間のうちに失脚すると誰もが考えていた。しかしすべての想定が外れた。」

■「私を好まない人々も支持している」

誰もがこのように理解している。すなわち、これはシリア国内での出来事に留まらない、外国から支えられたゲームであると。多くのアラブ諸国から急進的なイスラム主義者がシリア国内に流入し、テロ活動を行わせている。これらのテロリストは、国境から奪われた近代的な武器を持ち、外国から流入した多くの資金を持っている。おそらくシリアの多くの人々は私の政府を歓迎してはいないだろう。しかし、外国からの支援を受けるこれらのテロ活動を目にすると、彼らは自分たちの政府を支持する。

彼らは革命を語っている。革命は決して武装集団によるものであってはならない。市民はやる時にはやる。いかなる力も、そしてそれがどれほど強力でも、本当の市民革命を打ち負かすことはできない。しかし我々は現在市民とではなく、テロリスト集団と戦っている。これから戦う相手もそうだ。我々と市民を守ることが必要だからである。

同様の状況に置かれたとき、あなた方は自己防衛をしないのか?テロリスト集団を認めるというのか?トルコは南東部でテロとの戦いの名のもと、武器を持って戦っているのに、なぜ我々はそうしてはならないのか?我々もあなた方のことを、「トルコは市民を殺害している」とでも言うだろうか?トルコはテロリストと戦っている。我々にも同様の権利がある。そのため我々に向けた批判はダブル・スタンダードである。これを認めることはできない。

■「外国の介入は我々の過ちよりも有害」

―昨年、最初の民主主義抵抗運動を、武器をもって弾圧したことについて、後悔していますか?

―もちろん結局のところ我々も人間であり、過ちを犯すこともある。こうしていれば、ああしていなければと言うこともあるし、それは実に普通のことだ。しかしここで基本となる基準は、国内における過ちと外国のファクターの相互の割合である。外国の介入の役割は我々の過ちよりも甚大で、より有害である。シリアでは、3段階の計画が実施されようとしている。1つ目は平和的デモで、これらは金を見返りに行われるデモである。デモ参加者全員に、最初は10ドルが渡された。現在は50ドルに達している。市民はエジプトやチュニジアであったような、大衆によるデモを望んだ。しかしこれは成功しなかった。

第2の段階として、いくつかの地域を武装させ、解放区を作ろうとした。リビアにおけるベンガジ・モデルのように。我々の軍はこれを許可しなかった。現在、新たな段階に来ている。暗殺、政府機関の爆破、市民を標的とした虐殺、誘拐が始まった。

■「国連報告書を受け入れない」

―国連人権理事会の最近の報告で、シリアで人道に対する罪が行われている、拷問が行われていると断定されました。報告書では、これについての責任の大部分は大統領の勢力にあるとされていますが。

―ご存知のように、これらの組織の大部分は、アメリカと西洋政府の影響下にある。これらの報告書は国際的なバランスの結果書かれている。目的は圧力を強めることである。言いたいように言えばよい、正当性は我々にあり、屈しない。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:26938 )