こだわる西洋、拒絶するイラン:イラン政府、制裁には屈せず(下)
2012年06月30日付 Mardomsalari 紙
イランは最近の数ヵ月間で3度、西洋との協議に臨み、同国の核計画に交渉の余地はないとの立場を守ってきた。最新の協議〔※原文では「制裁」とあったが誤記と判断〕でも、イランのスタンスはかつてないほど厳しいものだった。先日のモスクワ協議も、双方が今後実務者協議を開くことで合意し、ハイレベル協議に「中止」の刻印を押すことを何とか避ける形で終了する、という有様だった。実務者協議の第1ラウンドは、イスタンブールで来週開催される予定である。
イラン政府に対する西側のスタンスに批判的な人たちは、ヨーロッパ側はモスクワ協議で最高のチャンスを失ってしまったと考えている。というのも、この協議では制裁の軽減というカードを〔核問題で譲歩をイラン側から引き出すための〕インセンティブとして、交渉のテーブルに載せることができたはずだからである。制裁の強化はイラン側の不信感を強めることにしかならず、同国による〔濃縮〕ウランの生産体制に何の変化ももたらさない、というのが彼らの考えだ。国連安保理は、イランによる〔濃縮〕ウランの生産停止を求めており、そのことをイランの核計画が非軍事目的であるという同国の主張を測るための試金石としている。
インターナショナル・クライシス・グループ(ICG)のアリー・ヴァーエズ氏は、このことについて次のように述べている。
最近になってイランに対して行使されるようになった制裁は、イランの経済にきわめて大きな影響を与えているが、それを麻痺させるというまでには至っていない。たとえイランの石油輸出量が半減しても、イランの2012年の石油収入は第一次ハータミー政権のときのイラン政府の収入よりも多いだろう。それゆえ、制裁とその影響について現実主義的な判断を下すことが、きわめて重要である。イラン側の交渉継続への意思表明について、制裁実行を遅らせるための策略であると解釈する向きも一部にあるかもしれないが、しかしそれを、重要な核問題での妥結に対して、イラン政府がまったく諦めてしまっているとか、後ろ向きだとかいうふうに見なしてはならないだろう。
EUによる制裁は、国際原子力機関(IAEA)が11月に発表した報告を受けて実施されるものである。しかしながら、〔制裁に〕批判的な人々は、この報告はイランの核計画に関するこれまでの報告以上の内容を提供するものではないと指摘している。一部の西側外交官は、西側の圧力の強化はイランに対する軍事攻撃を求めるシオニスト体制の立場をなだめるためであったとの見方を示している。
〔‥‥〕
核交渉団のトップを務めるサイード・ジャリーリー氏は、ウランを濃縮する権利が正式に認められ、全ての制裁が解除されることを求めている。同氏は濃縮度20%のウラン生産の停止について、何の言質も与えてはいない。こうした中、制裁が交換カードとして交渉のテーブルに載せられたならば、イランが現在、新たな圧力まであと48時間、というような立場にいることはなかったかもしれないし、西側もまた、制裁の始まる明日以降のイラン側の反応について、これほど気をもむこともなかっただろうと、西側〔の専門家ら〕は指摘している。
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( 翻訳者:8409088 )
( 記事ID:26952 )