イスタンブル金角湾、浄化すすむ―30センチの魚も泳ぐ
2012年07月10日付 Milliyet 紙


100年来の夢が現実のものとなった;ボスフォラス海峡のきれいで酸素をたくさん含んだ水は、巨大水道管と14kmのトンネルを通じて金角湾へ到達した:区役所裏では30cm級の魚が見られる。

■ 500万㎡の泥が除去された

以前から実施されている金角湾浄化プロジェクトの一環で同湾底から500万㎡の泥が除去され、18万㎡の緑地に変えられた。作業の甲斐あり再び魚類が多く生息 するようになった金角湾における同プロジェクトは、世界広域都市圏協会により「メトロポリス」最優秀賞に値すると認められている。

一時期、悪臭を理由に近寄ることが出来なかった金角湾の時代は幕を閉じた。ボスフォラス海峡のきれいでたくさん酸素を含んだ水は、金角湾に注がれ始めた。実施された試行作 業が成功したと伝えた関係者らは、開通式のためレジェプ・タイイプ・エルドアン首相を待っていると述べた。金角湾に継続的に浄水が注がれ ることを目的に立案された同プロジェクトによれば、ボスフォラス海峡の浄水は、巨大水道管を通じてキャウトハーネ川まで運搬され、そこから金角湾へポンプで注水される予定であった。

エルドアン首相の指示命令で行動を起こした広域市及びイスタンブル上下水道運営局(İSKİ)は、金角湾を再生させる巨大プロジェクトを3年半の作業を経て完遂した。カーディル・トプバシュ広域市市長は、ボスフォラス海峡からトンネルを通じて金角湾へ浄水が注水されることで同湾における生態学的パラメーター は向上し、新たな生命、可能性、機会が生まれるだろうと伝えた。同市長は、「金角湾が活性化してほしい。金角湾が再生し、再度その美を映し出してほしいと念じつつ」全作業が実施されたことを強調した。キャウトハーネ川へ継続的な注水を行いつつ河川水の浄化し、金角湾へ継続的に浄水が注水されるように直径 2200mmの水道管が敷設された。アヤズアー-サルイェル・チャユルバシュ間の水路は、トンネル5kmを含む14kmから成った。一日分の海水26万㎥ は、一昨日にアヤズアーにある揚水施設へ到達し、キャウトハーネ川へポンプで注水され始めた。

■ 浄水が届き、金角湾では魚が見られた

ボスフォラス海峡の水がキャウトハーネ川へ到達するとすぐに成果が表れ、目に見える著しい変化が起こり始めた。この変化を最も間近で目撃した人物はファズ ル・クルチ・キャウトハーネ区長であった。「区役所前に一日で30cm級の魚が見られるようになりました」と述べた同区長は、「1世紀来の夢が現実のものとなりました。この巨大プロジェクト実施に当たり、カーディル・トプバシュ広域市市長及びİSKİのアフメト・デミル局長に対し感謝の意を表します」と述べ た。

■ サリイェルからアヤズアーに至る14kmの水路を通る

トンネル5km、河川9kmの全長14kmの距離を流れるボスフォラス海峡の水は、金角湾内の溶存酸素量を増加させる。金角湾の水を浄化することで生物学的多様性を高めることにもなる。酸素水は、サルイェル・チャユルバシュ地区から採取され、地下に建造された5kmの巨大トンネルを通じてアヤズアーへ運搬 された。アヤズアーで地表へ出たボスフォラス海峡の水は、ここで23m揚水されキャウトハーネ川へ注水される。こうして、一時期は悪臭で近寄ることが出来 なかった地区が、今日魚類が多く生息し、また文化・スポーツ活動が行われる場となるだろう。

ボスフォラス海峡から一日で26万㎥の水を運搬する水路の一次テストは成功に終わった。金角湾の汚水は、ボスフォラス海峡の水と一体となった。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:26985 )