教育4+4+4制は、この9月から導入
2012年07月13日付 Hurriyet 紙

オメル・ディンチェル国民教育相は、「我々は9月、つまり今年の教育年度のスタート時点で、トルコの5年生と9年生から新たな教育制度を適用します。すべての変更が実施されれば、当然ながら、一部の人々にとってマイナスの影響がありえますし、批判やデモも起こり得るでしょう。こうした批判やデモに対し、我々は注視し続けます。もし正当な主張があれば、それに対し善処します。なければ、我々が行った変更について皆さんが声をあげ続けてください」と語った。

オメル・ディンチェル国民教育相は、ドルマバフチェ宮殿内の首相執務室でサウジアラビアの教育大臣であり皇太子のファイサル・ビン・アブドゥッラー・ビン・ムハンメド・アル・サウード氏と会談した。非公開で行われた会談後、ディンチェル大臣は、報道関係者の質問に答えた。

■教育制度の規範が変化している。

サルイェルにある障がい者学級を併設した小学校が、イマーム・ハティプ学校に編成されることに対する質問に、ディンチェル大臣は「トルコには4万2千校もの学校があります。このうちの1校に関する問題について質問されるならば―、あるいはトルコには1,700万人の子供がいますが、そのうちの1人についてお尋ねになるならば、トルコの教育問題に、あなた方は関心がおありにならないということでしょう。それでもお尋ねになるならばお答えします。トルコは現在教育制度の規範を変化させています。私に言わせてもらえば、本当に議論が必要な問題はこの点です。彼(質問者)が指摘したサルイェルの学校は、たった1 学級が障がい者学級として存続している学校です。そしてその障がい者学級は(今後も)存続する予定です。したがって、その学校で障がい者の児童が教育を受けるのに支障となるような決定はなされていません。私が思うに彼が問題を間違えてとらえている状態が問題なのだと思いますね」と語った。

■新制度の適用が開始

ディンチェル大臣は、教育4+4+4制に対する抗議活動に対して、「我々は変化の過渡期にいます。トルコとして、だんだんと民主化され、社会構造を柔軟化させるライフスタイルへと向かっています。こうしたあらゆる変化が起こるときには、もちろん一部の人々にとってマイナスの影響がありえますし、批判やデモも起こり得るでしょう。こうした批判やデモに対し、我々は注視し続けます。もし正当な主張があれば、それに対し善処します。なければ、我々が行った変更について皆さんが声をあげ続けてください。こうした観点から、私はあらゆる事態の行方を正常とみています。しかし我々は教育4+4+4制に関し、トルコの教育制度に関し、本気で規範の転換を行いましたし、この問題は決定事項として進めていくつもりです。皆さんにお聞きします。今日までの教育制度は、子どもたちの個々の潜在的な可能性を考えず、社会の異なる地域のニーズや期待に目を向けないものだったのです。今後は、いま説明したような問題に注意を払う制度になるのです。どちらを選びますか。極めて単純なこの問題に答えを出すときなのです。」と話した。ディンチェル大臣は9月に新教育制度へ移行するための作業に ついて説明し、「我々はあらゆる努力をし、9月に、願わくば何の問題も経験せずに移行を始めたいと思っています。そしてこのために全力を尽くします。むろん、これほどの変更がある状況で、小さな適用のミスは出てくるでしょう。この点について我々は社会全体の理解を期待します。我々は9月、つまりは今年の教育年度当初に、トルコの5年生、9年生から新教育制度の適用を始めます」と語った。

■SBS(学力判定試験)を違う視点で評価しなくては

アンカラの自閉症の子供に対する、教師たちの厳しい指導の様子をおさめた映像について聞かれたディンチェル大臣は、「彼ら(教師)については調査が始まったことをご報告します」と語った。またディンチェル大臣は、SBSで500点満点をとった生徒や国際的な大会で上位に入った生徒たちが、他の生徒たちの妨げとなっているとの批判について、「トルコではSBSを異なる視点から評価する必要があります。通常、もし教育をただテストで正しい答えを出せるものとして認識しているならば、これは不当だという声に我々は耳を傾けます。しかし皆一様に、子供たちの生きる力を育めるようにしてあげることが教育だとは言わないのでしょうか?そうならば、そうした全てが教育であるならば、彼ら(高得点者)にアドヴァンテージを与えないことは、長期的に考えて(生徒への)激励にならないでしょう」と語った。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:27010 )