オリンピックそれともEURO2020、どっちを目指すべき
2012年07月15日付 Radikal 紙


オリンピックか、Euro2020か。長年の夢であるオリンピックには、200億ドルの投資が必要だが、世界がイスタンブルに集結することになる。サッカーは低コストだが、ヨーロッパに限られたものになる。

世界はまだ危機から脱しようとする途中にある。トルコは成長する経済と安定性で注目されている。諸外国は予算をさらに増やさないよう、経済措置を増やさないよう、大きな大会の開催を避けている。しかしトルコは2つの大きな大会の最有力候補のうちの一つだ。EURO2020ヨーロッパ選手権と、長年立候補し続けてきた2020年オリンピック。さて、問題はまさにここから始まる。欧州サッカー連盟のミシェル・プラティニ会長と、国際オリンピック委員会ジャック・ロゲ会長は、トルコの決断を求めている。では、どちらを?トルコはどちらの大会で輝くべきなのだろうか。

オリンピックは世界最大の大会だ。200ヶ国近い国からスポーツ選手と観客が迎えられる。トルコは2020年のため東京、マドリードと争っている。決定は2013年12月に発表される。東京は津波の影響からの復興の最中である。マドリードは大きな経済危機と闘っている。ひとつの都市の、オリンピックのための準備投資は、何年もかけ準備されるスタジアムであり、世界で最も美しい都市、イスタンブルでも建設が計画されている。このほか、オリンピック村、インフラ投資、道路や施設の建設を計画し、これを整備することが必要である。ここ3回のオリンピックを開催した国々、お隣のギリシャは150億ドル、中国は記録を打ち立て400億ドル、2週間後に始まるロンドンオリンピック2012だが、イギリスは182億ドルを費やした。トルコの費用は200億ドル程になる見込みだ。

オリンピックは、開催する国に幸運または不運をもたらす。1976年オリンピックが開催されたカナダ・モントリオールは借金にまみれた。しかし1984年のアメリカ・ロサンゼルスは2億2300万ドルの純利益を得て、大会の成功に胸を張ることに成功した。その後の韓国・ソウルはアジアの虎になり、世界第5の経済国となる道に進んだ。1992年スペイン・バルセロナは、経済市場になる夢をオリンピックの後に実現した。同様に、1996年アメリカ・アトランタも利益を出した。一方で、オーストラリア・シドニーは2000年に21億ドルを損失、観光収入を増やす道へと進んだ。ギリシャ危機の最初の警笛も、2004年アテナオリンピックと共に鳴った。28億ドルのギリシャの予算にオリンピックは災いとなった。しかし中国・北京は2008年オリンピックで国の成長に成功した。

オリンピックの最大の収入は宣伝からもたらされる。17日の間、200万人がスタンドにおり、20億人以上の人の目がスクリーンでイスタンブルに向けられる。その上、1万1千人以上の選手が競技に参加するのだ。

ヨーロッパ選手権はトルコにとってもう少し容易である。というのも、我々はサッカー大国なのだ。Euro2020についての競争相手はアイルランド、スコットランド、ウェールズ、グルジアだ。決定は2013年5月に発表される。ここでも最有力候補はトルコである。アイルランドはまだ危機の痕跡を消そうとしている。グルジアはヨーロッパと時差があるため、選ばれることは困難であると思われる。トルコのこの大会のために、あまり多くの投資を行う必要もない。イスタンブルには3つ大きなスタジアムが既にある。トーナメントは6~7都市で一斉に行われるが、カイセリとイズミルは大きなスタジアムで試合開催できる状態にある。250万ドルの投資でこの仕事を遂行できると見られている。トーナメントは22日間続き、150万人がスタンドで観戦し、400万人以上がスクリーンで観戦することが期待される。
サッカーを開催することは簡単であり、オリンピックは難しい。しかし、夢を追いかけることと、今あるものに甘んじることと、どちらがトルコを成長させるだろうか。まず先にこれを決める必要があるだろう。

■スポーツライター、アッティラ・ゴクチェ氏の発言:「この国はオリンピックを開く必要がある」

「トルコはサッカーにけがされており、サッカーの富で手や顔を汚した国である。そのため、私の考えでは、我々のサッカーでヨーロッパに申し出を行うことはあまり健全ではない。しかし国のメディアでは、残念ながらサッカーで自分の人生を形成し、サッカーでの進展と汚染で生きている者が安易にサッカーに走って、すぐにサッカーと言うのだ。オリンピックは難しい、大変なことだ。我々はサッカーを8都市で開催することができ、決勝戦のための素晴らしいスタジアムを持っている。オリンピックはサッカーファイナリストの24か国ではなく、200か国が参加して開かれる。Euro2020は簡単で単純で、我々の文化と合っている。オリンピックになるとそうはいかない。オリンピックは国連よりもはるかに多くの国と話し合いをする。さらに、オリンピックは粗野な男の大会ではない。ロンドンオリンピックではわが国の女性が各分野でメダルを獲得するだろう。女性に与えられるべき、相応しい場所を否応なしに与える大会である。オリンピックは23の支部を持ち、2020年にはこの数は25~26になる。ジャマイカからチベット、オーストラリアからエスキモー、アフリカ人からアイスランド人まで、男女1万人近い選手が我々の国に迎えられることになる。世界の本当の中心になることができるイスタンブルは、気候も競技に適している。何千もの選手と観客を迎え、世界と国際的な意味で非常に高いレベルのコミュニケーションが実現することになるだろう。自分を理解し、知らなかったことを知る、ことはスタジアムを作るといったことだけではないのだ。ディヤルバクルで、自宅でイーネ・オヤ(刺繍)作っている女性の働きも必要だ、トラブゾンの漁師の助けも。20億ドルどころか40億ドルかかろうと、この国はオリンピックを開催する必要があるのだ。」

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( 翻訳者:倉田杏実 )
( 記事ID:27026 )