UAE「ホルムズ海峡」を避けるパイプラインで石油の初出荷
2012年07月17日付 al-Hayat 紙
■UAE、「ホルムズ海峡」を避けるパイプラインで石油の初出荷
2012年7月17日火曜日『アル=ハヤート紙』
【アル=フジャイラ(UAE):シャフィーク・アル=アサディ、ドバイ:ダラール・アブー・ガザーラ】
UAEは、新しいパイプラインを通じて正式に石油の輸出を始めた。そのパイプラインというのはハブシャーン油田とアル=フジャイラ首長国の港を結び、ホルムズ海峡を横断するものである。ホルムズ海峡については、イランが同国の核問題を背景とする西洋との相違が激化するたびに、同海峡を閉鎖すると脅迫している。
UAEのムハンマド・ビン・ザーイン・アル=ハーミリー・エネルギー相は最初の出荷を視察した。初荷には新しいパイプラインラインから運ばれたパキスタン行きの50万バレルが積まれていた。同エネルギー相は、アル=フジャイラの積み出し港はホルムズを通じての石油輸出の代用ではなく、それを補完するものだと表明した。そしてこの計画はアッ=ルワイス港での圧力や混雑を低減させるので、重要で戦略的であると指摘した。特にアッ=ルワイス港は石油、及び石油化学製品を輸出し、アル=フジャイラの積み出し港は原油を輸出する予定であると指摘した。また同エネルギー相は、このパイプラインが1日に140万バレルを輸送することが可能で、その量は最大で1日180万バレルまで増やすことができると強調した。この量はアル=フジャイラ港を通してUAEの石油生産量の約70%を輸出できるということを意味している。
国際石油投資会社(IPIC)の管理責任者ハーディム・アル=クバイシーは、アル=フジャイラ-ハブシャーン間のパイプライン貫通のために4年以上尽力し、総額42億ドルをかけたと述べた。
また彼は、新パイプラインがホルムズ海峡に頼らずUAEの原油の7割を輸出する可能性を充足し、アブダビ首長国の国家安全と戦略的政策において重要な役割を演じるだろうと強調した。そしてこの計画の実行は困難にも直面したと指摘した。その困難とは特に、この計画が40㎞に亘る山間部を横断したことだ。また同氏は、この計画における最新技術の使用されたことを明らかにした上で、この計画には将来経済的、社会的な見返りがあり、アル=フジャイラの人々に250~300の技術・経営雇用をもたらすだろうと述べた。また、同氏は、「IPICはアル=フジャイラに製油所を30億ドルで建設する計画を立てている。この製油所は1日20万バレルの生産能力でで2016年半ばに完成予定である。」と述べた。そして、計画は現在設計の段階にあると宣言した。
「アブダビ国営石油」(ADNOC)のアブドゥッラー・ナースィル・アッ=サウィーディー総裁は、「新施設からの輸出は1日に数十万バレルになる予定で、今後数カ月で徐々に増していく。アブダビはこの地域で保険の増額を回避することになるその他の諸事業を計画している。」と述べた。
同じ文脈で、アル=フジャイラ首長府のムハンマド・サイード・アッ=ザンハーニー長官は「当首長国の沿岸からの原油輸出の開始は、当首長国にUAEの観光開発と足並みをそろえた経済開発の再生のための時間を与えた。アル=フジャイラの地理的・戦略的位置は特徴的である。」と述べた。
複数の積み出し施設は、300mから350mの巨大な船のために設計されており、こられの船舶は30万トン、約200万バレルを貨物する。積み出し施設は海岸より1.4から2.4海里離れていて、経路の長さは8海里で8つの浮き桟橋が装備されている。
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( 翻訳者:佐々木このみ )
( 記事ID:27041 )