混乱を極める茶産業で懸念、高まる
2012年07月10日付 Mardomsalari 紙

 ギーラーンの茶畑では茶葉の二番摘みが始まったところだが、そうしたなか、仕事を続ける意欲が茶農家から失われつつある。茶葉1キロごとに、一級茶葉700トマーン、二級茶葉390トマーン〔※公式レート(1円約15トマーン)で、それぞれ約47円、及び26円〕という買い取り価格は、茶農家の原価をまかなうのに十分ではないためだ。

 全国茶農家組合の会長は、こうした買い取り価格の設定によって、茶農家の半数が日雇い労働者に転身するという状況が生まれていると指摘する。同氏によると、一級茶葉の1キロごとの適切な価格は1500トマーン、二級茶葉は1000トマーンだという。

 最近では、農家が茶工場に出向いても、門前払いされてしまう。工場側も乾燥茶葉のストックは十分にあるといい、茶葉の保障買い取り契約がいまだに〔農家と〕工場側との間で結ばれていないのが現状だ。茶農家も工場側もともに、身動きの取れない状態に陥っているのである。

 かつて絹産業に従事していた経験のある、とある工場関係者は、苦笑いをうかべながら、〔茶産業をめぐる〕最近の状況は前にも経験したことがあると話す。最近のイラン産茶葉をめぐる状況は、イラン産シルクの最後の時期に酷似しているというのである。〔‥‥〕

 イランの茶産業は12万トンもの国内消費量を誇る産業であることを踏まえるならば、利益の少ない貧弱な産業とは言えない。ところが国内生産量が4万トンもあるにもかかわらず、毎年の外国産茶葉の輸入量は14万トンにも上るのである。これは注目に価する、驚くべき事実である。もっと驚くべきは、多くの専門家によれば、国内産の茶葉は海外産のものよりも品質が高く、基準にも適っているにもかかわらず、毎年さまざまな外国産の茶葉がますます多く輸入され、国内に供給されていることである。

 この業界を支える3つの柱、すなわち茶農家、工場主、そして政府は互いに、現在の混乱した状況を作り出した張本人だとして、罪のなすり合いをしているようにも見受けられる。

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( 翻訳者:8410128 )
( 記事ID:27048 )