■ モロッコ:イスラーム銀行許可を計画
2012年7月17日 『アル=ハヤート』
【ラバト:ムハンマド・アッ=シャルキー】
モロッコ政府は無利子を基本とするイスラーム銀行支店開設許可を認定する要請を検討している。この要請は、湾岸諸国のビジネスマン達が提出したもので、彼らはモロッコ金融市場進出の意向を表明した。
情報筋はこの要請が経済財務省と中央銀行のもとに提出されたことを注視した。中央銀行にはサウジ、クウェート、バーレーンの銀行が含まれている。来る秋期にモロッコ国会に対して、2005年以来用いられている現在の「銀行システム法」を完成させる、新しい法案が提示されなければならない。この法案は、イスラームのシステムを採用する海外の銀行の支店開設を許可することや、アラブ・イスラーム銀行と他のモロッコの銀行間の金融提携を行うことに関するものである。またこれらの銀行はモロッコの銀行業の構造を補完するものとなるであろうし、国内法に従って機能し、中央銀行当局に追随する。
情報筋は、「アラブの春」とイスラーム主義の政権への躍進に伴って起こったこの状況により、北アフリカ地域ではずっと不在であったイスラーム銀行の試行を許す環境が作られた、と指摘した。同地域では、ヨーロッパの経験に基づく銀行システムが採用されている。
モロッコ政府は、国際金融市場に参入することのない外国融資を必要としており、また、イスラーム銀行には、多くの外国投資を誘致する機会や、カサブランカにある「カサブランカ・ファイナンス・シティー(CFC)」国際金融センターを利用することにより、地中海南部のイスラーム金融の軸にする機会がある。同センターはイギリス金融市場、パリ証券取引所、フランクフルトのドイツ金融センターとの提携の調印を準備している。
モロッコ財務局は100億ドルを下回らない追加の金融フローを必要としている。これは、予算赤字の一部を埋め合わせ、通貨準備を再建し、ユーロ圏の経済危機や、観光と送金の低迷により影響を受けた貿易収支の赤字に対処するためである。モロッコは、外貨の財源不足に苦しんでいる。一方、中央銀行は諸商業銀行に毎月530億ディルハム(50億9千万ドル)に相当する融資を与えている。
モロッコ銀行の昨年の収益は110億ディルハムを越え、その融資は7兆3千億に達した。この銀行は利子システムに従って機能している。このシステムは顧客からの利子額が3400億ディルハムに達する、純益を銀行に与えた。一方で、銀行業務総計は10%多い3600億に増えた。また3つの銀行が融資と預金全体の66%を占めている。その銀行とは、「商業銀行」と「人民銀行」、「BMCE」である。一方、これらに続いてフランスの3つの金融機関銀行が市場の20%を占めている。その機関とは、「Sociélé Générale」、「Grade de Maroc」、「BMCI」であり、これに続くのが「BNP Paribas」 である。
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( 翻訳者:渡辺亜実 )
( 記事ID:27049 )