司法権人権本部書記「イランには政治犯はいない」
2012年07月11日付 Mardomsalari 紙

【政治部】司法権人権本部のジャヴァード・ラーリージャーニー書記は、「政治犯に対する不適切な扱い」について指摘したアリー・モタッハリー氏の発言に対し、「政治犯とは法的枠組みのなかで政治活動をしているにもかかわらず、為政者にとって気にくわない活動であるという理由から、不当に投獄されている人のことを指す。こうした定義に基づくならば、イスラーム共和国体制には政治犯は存在しない」と述べた。

 司法権人権本部のウェブサイトは、モハンマド・ジャヴァード・ラーリージャーニー書記との短いインタビューを次のように掲載している。

テヘラン選出のモタッハリー議員は月曜日、あるインタビューの中で、イランでは政治犯に対して不適切な扱いが行われている、と述べました。人権本部書記として、あなたはこうした「不適切な扱い」について何かご存知のことはありますか。もしご存知なら、人権本部はこの件についてどのような対策を取ってきましたか?

まず最初に、政治犯についての定義を提示する必要がある。その上でそれに基づき、果たしてこのような指摘が正しいのかどうかについて、判断すべきだろう。

政治犯とは法的枠組みのなかで政治活動をしているにもかかわらず、為政者にとって気にくわない活動であるという理由から、不当に投獄されている人のことを指す。こうした定義に基づくならば、イスラーム共和国体制には政治犯は存在しない。つまり、合法的な政治活動を行いながら、その活動は国にとって気に入らないものであるために、投獄されているような人は、〔イランには〕いないということだ。

〔イランには政治犯がいるという〕こうした非難は、アメリカやイスラエルに始まり、国内外の反革命分子、特に偽善者たち〔※反体制組織モジャーヘディーネ・ハルグを指す〕やテロリストらに至るまでの、我が体制の敵どもが、革命の勝利の初日から現在に至るまで延々と、われわれに対して加えてきた非難に他ならない。

さて、〔モタッハリー議員が指摘する〕第二の点は、政治犯に対して「不適切な扱い」が行われている、ということだ。基本的に、政治犯であろうと、そうでなかろうと、受刑者に対して不適切な扱いをすることは非難されるべきことである。受刑者に対して不適切な扱いをすることは、イスラームの聖法にも、法律にも反することである。

〔‥‥〕

しかし、第一にイランには政治犯がおり、第二に刑務所内での〔受刑者らに対する〕不当な扱いが常時、ルーティーンとして行われているということを示唆するような〔モタッハリー議員の〕表現の仕方は、事実に反するし、またイラン国民に対する不当な非難であり、我が神聖なるイスラーム体制に対する忘恩であり、かつシオニストや反革命的な敵との同調に他ならない。敵は毎度のように、このような立場から、こうしたお題目の下で、体制に対して攻撃を仕掛けているのである。

モタッハリー議員の発言は、88年の内乱〔※2009年大統領選挙後の暴動のこと〕で拘束・投獄された者たちに関連したもののようですが。

この親愛なる議員がこのような大いなる過ちを犯したことを、私は大変残念に思っている。〔イランには多数の政治犯がいるという〕こうした非難は、88年の内乱事件の後、アメリカとその手先どもが我が体制に対して繰り出しているものに他ならない。88年の内乱に関与した者たちが、あたかも合法的な政治活動に従事していたかのような言い草だ。

しかしながら実のところ、彼らは体制の共和国としての性格、その原理原則に対する純然たるクーデターに関与していたのである。アメリカとシオニスト・イスラエル、そして国の内外にいる彼らの様々な手先どもから、完璧な支援を受けたクーデターに、である。

我らが国民に対する最大級の不正義を犯した、こうした罪人どもに対する処罰は、〔彼らの〕政治活動とは関係がないし、〔彼らが〕政治犯であることとも関係していない。こうした〔敵の陰謀に囲まれた〕危険に満ちた立場にいるわれわれは、〔クーデターを政治活動だと言いくるめるような〕このような詭弁にかかずらってはならない。

〔‥‥〕

※訳注:ジャヴァード・ラーリージャーニー書記はアリー・ラーリージャーニー国会議長の兄で、アリーはイスラーム革命のイデオローグとして有名な故モルタザー・モタッハリーの娘婿にあたる。アリー・モタッハリー議員はモルタザー・モタッハリーの息子なので、アリー・モタッハリー議員とジャヴァード・ラーリージャーニー書記はアリー・ラーリージャーニー国会議長を通じて、義理の兄弟の関係にある。アリー・モタッハリー議員はアフマディーネジャード大統領に極めて批判的なスタンスを取っていることで有名な、保守派の国会議員。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(司法権人権本部書記「国連人権特別報告官と米国務省は異口同音」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27149 )