アーヤトッラー・ジャンナティー、倹約の必要性を強調「物価高は一過性の問題」
2012年08月04日付 Mardomsalari 紙
テヘラン臨時金曜礼拝導師は物価高の問題について触れ、「この問題は一過性の、一時的な問題だ」と強調するとともに、「この問題は社会一般に関わる問題であり、その解決のためにすべてを動員する必要がある」と述べた。
アーヤトッラー・アフマド・ジャンナティーはテヘラン金曜礼拝での第二講話のなかで、世界の経済危機とそれがイランに及ぼす影響について言及し、経済問題は「深刻かつ特別な問題」であるとした上で、それを戦争に喩えて、次のように述べた。
敵はさまざまな領域で〔イランに対して仕掛けてきた〕その他の戦争でも、敗北を喫してきた。そして今、この戦争での成功を目撃しようと、彼らはじっとこちらを見ている。われわれはこの問題を、一つの戦争として受け止めなければならない。これは見過ごすことのできるような通常の問題ではない。あらゆるものが動員された〔イラン・イラク〕戦争の時のように、全国民、全責任者、そして全人民がこの問題と格闘し、その解決に努力しなければならない。これは社会一般にかかわる問題なのである。
同師は、現在われわれが直面している物価高という問題は、一時的な問題であり、地震や洪水、戦争などと同様、どの時代にも起こりうる問題だとした上で、次のように語った。
人間の生活にとって、こうした問題は避けることができない。われわれはこの波を打ち砕かねばならない。これに屈してはならない。われわれはこの波に打ち勝つことができる。努力とジハードと献身と自己犠牲によって、かつて〔=イラン・イラク戦争〕と同様に、この危機を克服することができるであろうことは、私には火を見るより明らかである。
金曜礼拝導師はまた、物価高について触れ、「これは単なる経済危機であるばかりか、一つの政治危機でもある。問題は、アメリカがわれわれを経済問題で打ち負かすことで、自らの支配をここイランでも回復させようとしている、ということなのである」と続けた。
同師はさらに続けて、経済問題解決のための方法を一部示し、文化機関やメディアに対し、これらの解決策に注意を払うよう求めた上で、次のように述べた。
これは重大かつ〔イランの〕未来を左右する問題である。当局者たちは自分たちの置かれた状況は良好だとして、豪華な宴を催し、人民の痛みに気付かず、この問題に注意を向けようとしていないのではないか、などと疑っている人たちがいる。私はあなた方〔=当局者が経済問題を軽く考えているのではないかと疑っている人たち〕に申し上げる、100%すべての当局者とまでは言わないが、幹部たちは全員、この問題のことをちゃんと知っている。彼らは無為に時間を過ごしているわけではない。彼らは定期的に会議を開き、この問題に取り組んでいる。三権も取り組んでいる。そしてその筆頭に、最高指導者がいる。当局は人民のことなど考えてはいない、などと思ってはならない。この波は一過性のものであること、いつまでもとどまり続けるようなものではなく、じきに過ぎ去るものであるということを、あなた方は認識する必要がある。
同師は〔経済〕問題の解決には倹約が有効だとした上で、次のように続けた。
もしこの倹約というものが実行されたならば、多くの問題が解決されるだろう。なぜ馬鹿げた出費をするような人がいるのか。なぜこのような状況にあって、「果物」「お菓子」「ジュース」の「三種の神器」が宴に必ずなくてはならないのか。誰がそうでなければならないと言ったのか。もちろん、これらすべてが豊富にあるような時代もあるかも知れないし、もしそうであるならば、それ〔=贅沢な宴〕は何ら問題ではない。しかしこのような〔経済的苦境に直面した〕状況にあっては、倹約が必要であり、次のように言わねばならないだろう、「倹約はイスラーム法上の義務(ワージブ)である」、と。
残念なことに、イフタール〔※日中の断食明けの夕食〕の宴で大変な贅沢をする人が、中にはいる〔※イランではラマダーン中、断食明けのパーティーで肉や果物をはじめ、大量の食料品が浪費される傾向にあることを指す。実際、イランではラマダーン中、食品の消費量が増え、過食により太るイラン人も多い〕。これはなんというイバーダ〔※宗教上の義務・儀礼〕、なんというイフタールだろうか。
浪費はイスラーム法上の禁止行為(ハラーム)である。特に現在のような状況にあっては、そう言える。特にラマダーン中は、贅沢は控えられねばならない。「善を勧め、悪を禁じ」なければならない。公衆の監視が必要だ。もしこの件で〔贅沢な宴に〕こだわるような者がいるのであれば、人民は互いに互いを注意し合うことが必要だろう。
同師はさらに、「なかには残念なことに、こうした状況の中で自らを見失い、退蔵に走る者もいる。われわれが、こうした行為は罪にあたると言ったとすれば、それは決して誇張ではない。たとえば砂糖が高騰していると言われ、節約が叫ばれているなかで、なぜ物資の退蔵に走るのか。〔‥‥〕こうしたことは厳に慎まねばならないのだ」と語った。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27281 )