■カタール政府、エジプト中央銀行へ20億ドル預金
2012年08月13日『アル=ハヤート』
【カイロ:ハーラ・アーミル】
カタール政府は、エジプト政府に対する20億ドルの資金援助を決定した。この決定は、一昨日〔11日〕カイロで行われたエジプトのムハンマド・ムルスィー大統領とカタールのハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長の会談後に発表された。エジプト大統領府は公式声明で、「カタールはエジプト中央銀行に20億ドル預金する」と表明し、この措置を「多大な困難に苦しむエジプト経済の援助を目的にしたもの」と位置付けた。ホスニー・ムバーラク政権を打倒した1月25日革命に続く政治的混乱から、1年半が経つ。この政治的混乱は外国からの観光や投資を後退させ、賃上げを求める政府職員を抗議運動へと向かわせた。また、民衆蜂起によりエジプト中央銀行はエジプト・ポンド救済のためにドルの売却開始を余儀なくされたため、昨年は中央銀行の外貨準備高も急激に減少し始めた。
■借入費用
エジプトの外貨準備高は18か月前の360億ドルから現在の140億4000万ドルまで減少した。エジプト経済は国際収支統計上の深刻な危機と政府の借入費用の増加に直面している。カタールの資金援助は、国際通貨基金(IMF)の派遣団が30億2000万ドルの借款に関するエジプト政府との協議再開のため同国を訪問する数日前に決定された。湾岸諸国は以前にもエジプトへの援助を表明しており、サウジ政府は今年20億ドルをエジプト中央銀行に預金していた。エジプト中央銀行のイスマイール・ハサン元総裁は、カタールが同行に20億ドルを預金する意思を表明したことを歓迎し、「今回の措置は外貨準備高を力強く支えるだろう」との期待を示した。また、「この預金は中央銀行に示された将来的な約束であるが、現在の立場を支援するものだ」との見方を示した。エジプト・カタール・ビジネス評議会のアーデル・ルフーマ議長は、イード・アル=フィトゥル(断食明けの祭)後にカタール側との共同会合を開催したいとするエジプト側の要請を表明した。この会合の目的は、両国の投資を促進し、活性化させるために調整を行うことである。
■投資の強化
ルフーマ議長は、エジプト中央銀行への20億ドルの預金に関するカタール首長の声明について、「カタール首長の次期エジプトにおける投資強化への熱意を反映する、好ましい措置」との見方を示した。また、エジプト・カタール合同ビジネス評議会の第1回会合では「両国間の投資関係の活性化計画について議論し、策定する見通しだ」と述べた。さらに、「カタールの投資家達の眼前には多くの政府投資プロジェクトが提示されている」と指摘し、「その中には、東タフリーアにおける開発プロジェクトや電力プロジェクトの他、投資省や個人レベルにおいてもプロジェクトが準備されている。それらは参入であれ買収であれ、エジプトにおける共同投資として開放されている」と述べた。
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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:27343 )