妨害電波をめぐるナゾ、いまだはっきりせず
2012年08月23日付 Mardomsalari 紙

 「妨害電波」とそれが一般市民の健康にもたらす問題について取り沙汰され始めてから3年、国会保健委員会の委員長はついに、この妨害電波の発信源がはっきりと国内にあることを認める発言を行った。同委員長はその上で、通信省も国会の代表も、妨害電波の発信源について知ってはいるものの、それがなんなのか、明言するつもりはないとも述べた。

 これに先立ち、レザー・タギープール通信情報技術相は「最近の通信妨害電波は通信省から出ているものではなく、本省は妨害電波の発信源を突き止めようとしているところだ」と述べていた。同相はさらに続けて、妨害電波の発信源は不明だとしつつ、それが〔市民の健康にもたらす〕悪影響について警告を発し、「これまで何度も、携帯電話の妨害電波についての報告書を、国会議員や国会保健委員会の委員らに提出してきた」と強調した。

 これに対し、国会保健委員会のホセインアリー・シャフリヤーリー委員長はニュースサイト「アスレ・イラン」とのインタビューの中で、通信相のこの発言を否定した上で、次のように述べた。

第8期国会の保健委員会は、昨年通信相を同委員会に招き、妨害電波についての説明を求めた。同相はこの会議のなかで、妨害電波の発信源については何も知らないと述べ、それ以降、これまでに新たな報告書や説明は国会に提出されていない。これまで何度も国会ならびに保健委員会に対して報告書を提出してきた、との〔通信相の〕指摘は正しくない。


 シャフリヤーリー氏は続けて、この問題に関する国会保健委員会の調査について触れ、「この妨害電波がもたらす健康への影響を調査する責任機関として、われわれは保健省を指定した。この作業には半年から1年の時間が必要で、原則としてはメフル月〔9月下旬〜〕までに保健省の報告書が国会に提出されることになっている」と説明した。

 「3年も経っていまだに、妨害電波の発信源について通信省が不明としているのは、どういうことか」との質問に対して、同委員長は「通信省は妨害電波の発信源がどこなのか、よく分かっているが、しかしそれを公表したくはないのだ」と述べ、さらにこの妨害電波の発信源が国内にあることを認めた上で、「妨害電波の件について、より詳しい説明を行うことは、われわれにはできない」と言明した。

 他方、「ラジオ関連法規作成通信機構」の広報担当次官を務めるエルシャード氏は、「アスレ・イラン」とのインタビューのなかで、妨害電波に関する説明責任は通信情報技術省にあるとの見方を示した上で、「われわれはこの件に関して説明することはできない。通信省の広報を通じて、本件を照会するのがよいだろう」と述べた。

 しかしながら、「ラジオ関連法規作成通信機構」は国の周波数帯の管理・監督・調整を担っている唯一の機関であり、いかなる強度・高度・時間幅の電波であろうと、その発信については、同機構の監督と調整のもとで行われなければならないことになっている。



訳注:妨害電波問題は2009年の大統領選挙後に取り沙汰されるようになった問題で、外国からの衛星放送や携帯電話の電波を妨害するために、軍部を含むイランの国家機関から出されているのではないかとの憶測を呼んでいる。こうした妨害電波に晒されることで、ガンの発症率が高くなるのではないかとの懸念が一部で出されている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27427 )