ハッキャーリ-シュルナク間の、北イラク国境ゼロ地帯で国家水道総局(DSİ)によってつくられ、同時にPKKのトルコへの侵入を妨ぐ大きな効果が見込まれている11のダムの内、完成した3つで貯水が開始された。
ダム建設は、ハッキャーリ県内に4つ、シュルナク県内に7つの予定でDSİによって2008年に開始され、そのうちシュルナク、シロピ、アスランダーのダムが完成し、シュルナク、シロピ、そしてハッキャーリ県内にあるアスランダーのダムで貯水が始まった。ウルデレダムの掘削は引き継ぎ行われている。地滑りのリスクが顕在化したバッルダムには新しい候補地が選ばれ基礎掘削に向け計画が練られている。カヴシャクテペダムは基礎掘削、建設が続けられ、ムサテペダムはシュルナク-ハッキャーリ国道の完成が待たれている。基礎掘削で問題が発見されたチェティンテペダムでは、調査が行われている。
■PKKの洞窟、抜け道は水の下に沈む
北イラクの国境付近ゼロ地帯にあるダムで貯水が開始されたことにより、PKKのトルコ侵入は大変困難なものになる。PKK党員の、ラバを用いた武器や弾薬、食料などの兵站支援は、今後断たれる。(PKKの拠点となっていた)多くの洞窟は、ダムの完成により水の下に沈み、PKKの活動領域は狭まるだろう。
■24時間体制で塔から監視
ダム付近の高い頂の、あらゆる攻撃にも耐えられる場所にコンクリートでつくられた塔では、24時間体制で監視が行われ、確認された(PKKの)活動地点には、瞬時に攻撃が行われる。(この地域の)地形から、流血を伴うテロ行為を行った後、深い谷や、洞窟、森の中に隠れて逃亡に成功していたPKK党員らは、ダムの完成と貯水により、もはや以前のように大きな集団でテロ行為を行うことができなくなる。
■7つのダムに2億7百万リラの支出
シュルナク地域の7つのダムに対し総工費2億7百万リラの予算が計上されており、本日までに約1億1千万リラが支出された。シュルナク地域の2つのダムが完成した後、引き続き5つのダムの為に本年度3138.3万リラが支出された。
■ハッキャーリのダムの一つは建設中止
その一方、ハッキャーリのギュゼルデレ川上に建設中のギョルゲリヤマチダムは、そこに数多く洞穴がある事が確認された為に建設中止となった。チョジュクテペダムの建設は続けられているが、本掘削の問題が生じていることが説明された。シェムディンリ郡とユクセコヴァ郡の間に位置するベンボ川上に建設中のベイユルドゥダムも実質98%が 完成している。
2008年に入札が行われ、建設開始されたダムは、2011年末の完成が目標であった。しかし、増大するテロ攻撃や地下障害物などにより、計画された11のダムのうち、3つのみが完成した。
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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:27432 )