最高指導者、国連事務総長と会談「遺憾ながら、国連の構成には欠陥がある」
2012年08月29日付 Jam-e Jam 紙


【ジャーメ・ジャム・オンライン】アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、アメリカやその他の一部列強によってシオニスト体制が核武装を実現していることについて指摘し、「この問題は地域にとって大いなる危険となっており、このことについて国連が何らかのアクションを取ることを期待する」と述べた。同師はさらに、「遺憾ながら、国連の構成には欠陥がある。核兵器を保有し、それを使った過去のある、世界で最も強権的な国が、安保理を支配している」と付け加えた。

 最高指導者事務所の広報サイトが伝えたところによると、イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は本日(水曜日)午後、国連事務総長の潘基文氏とその随行団との会談のなかで、イラン文明・文化のこれまでの歩みについて触れた上で、「文化・文明上の問題においてイラン国民が有してきた重要かつ高尚なる地位に着目すれば分かるように、イラン・イスラーム共和国はイスラームに由来する人間的な文化・文明の発展に対して、極めて優れた素地を有している」と指摘した。

 同師は続けて、核兵器廃絶問題をはじめとする人類共通の懸念について触れ、「イラン・イスラーム共和国は《核兵器なき中東》というスタンスを固持している。国連は核兵器をめぐる〔人類の〕目下の懸念を解消すべく、真剣に努力をするべきだ」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、アメリカやその他の一部列強によってシオニスト体制が核武装を実現していることについて指摘し、「この問題は地域にとって大いなる危険となっており、このことについて国連が何らかのアクションを取ることを期待する」と述べた。

 同師はさらに、「遺憾ながら、国連の構成には欠陥がある。核兵器を保有し、それを使った過去のある、世界で最も強権的な国が、安保理を支配している」と付け加えた。

 イスラーム革命最高指導者は、国連事務総長がシリア問題の解決についてイラン・イスラーム共和国に対して協力を求める旨、発言したことについて触れ、「シリア問題は実に痛ましい問題である。結果として、同国では無辜の市民が犠牲となっている」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者はその上で、「イラン・イスラーム共和国は自らの宗教的信条・教えに基づき、シリア問題の解決に向けてあらゆる努力を行う用意がある」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「しかしシリア問題の解決には、当然の条件というものが存在する。それは、シリア国内にいる無責任な集団に武器がわたるのを阻止する、というものだ」と述べ、シリアの現状はシリア国境から同国内に洪水のように武器が流れ、反体制組織にわたっていることの結果に他ならないとの見方を示し、さらに「シリア政府の手に武器があるのは当然のことだ。なぜならどの政府とも同じように、シリア政府は軍隊というものを保有しているからだ」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者はその上で、「一団の国々がシリア反政府組織に、自身とシリア政府との代理戦争をさせている、というのがシリアをめぐる非情な真実なのである。この代理戦争というのが、シリア問題の今の現実なのだ」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、「コフィー・アナン氏の〔和平〕案の実行を阻み、同案が結実するのを許そうとしていないのは、シリアで代理戦争を起こしている、まさにこれらの国々に他ならない」と指摘し、「一部の国々による極めて危険な計画がシリアで続く限り、シリアの現状に変化が訪れることはないだろう」と付け加えた。

 イスラーム革命最高指導者は自身の発言の別の箇所で、イラン核問題をめぐる国連事務総長の発言について触れ、「アメリカ政府は、イランが核兵器を追求していないことをよく知っている。彼らは〔イランを苦境に陥れるための〕口実を探しているだけなのだ」と述べた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はイランが国際原子力機関(IAEA)と広範な協力を行っていることについて触れ、「IAEAには自らのルールに基づき、科学的・技術的観点から、イラン・イスラーム共和国を〔核の平和利用で〕手助けする義務がある。ところがIAEAはこうしたことをしないばかりか、恒常的に妨害行為に手を染めている」と指摘した。

 イスラーム革命最高指導者は、スタクスネットをはじめとする一部のマルウェアを使って、インターネット上・技術上の破壊工作を企てていることを、西側が認めていることを指摘し、「なぜIAEAはこの件で、きちんとした態度表明を行わなかったのか?」と疑問を呈した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、アメリカ政府の第一級の高官がイランに対して核〔攻撃〕の脅しをかけてきたことについて触れ、潘基文氏に対し、「国連は速やかに、この脅しに対して措置を講ずることが期待されていた〔にもかかわらず、なんの措置も講じられなかった〕」と述べた。

 同師はさらに、イラン・イスラーム共和国が「核兵器の製造・使用の禁止」を〔国是として〕掲げていることを再度強調、「この立場は宗教的な信条に基づくものであって、アメリカや西洋諸国のご機嫌取りのためのものではない」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者は、次のような国連事務総長に対する善意からの忠言によって、自身の発言を締めくくった。「核兵器廃絶問題について、列強に遠慮するようなことがあってはならない。今貴殿の前に用意されたチャンスを、正しく活用すべきである」。

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(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27485 )