イスタンブル第10行政裁判所は、銀行カード機能付き大学身分証の使用に関して停止の判決を下した。
マルマラ大学執行部は、「キャンパスカード」は引き続き使用されると述べた。イスタンブル大学もこの判決に縛られることはないと主張している。
トルコの23の大学で導入済みの「キャンパスカード」は、約100万人の学生と職員が利用している。
銀行と契約することで、「キャンパスカード」は、食堂、図書館、スポーツ施設、大学入退講に使われ始めた。個人情報を銀行と共有することになるこのシステムが波紋を呼んでいる。マルマラ大学労働経済・労使関係学部のメルイェム・クルオール博士は、このサービスが停止されるよう裁判所に訴えた。イスタンブル第10行政裁判所は、個人の同意無しに個人情報が銀行に流れ、現金自動預け払い機用(ATM)カードにもなる身分証がつくられることを、違法であるとみなした。
クルオール教授は、「私は一人の教員として、銀行カードにもなる身分証を手にしたいとは思わない」と述べた。マルマラ大学の副学長、ハムザ・カンドュル教授は、「原告となった同僚(クルオール教授)にはカードを返却してもらうつもりだ。彼には別のカードを渡す。しかし、「キャンパスカード」を利用しない人たちは、大学内各所で不便を感じることになると思う」と述べた。イスタンブル大学学長広報官であるエルギュン・ヨルジュ博士も、マルマラ大学に関し下された決定に、自分たちは縛られることはないと述べ、今後「キャンパスカード」を導入していくつもりであると語った。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:27487 )