湾岸協力会議、ムルスィー演説の誤訳を非難
2012年09月04日付 Mardomsalari 紙
【イラン外交】テヘランで開かれた非同盟運動首脳会議におけるエジプトのムハンマド・ムルスィー大統領の演説の誤訳めぐって、イランとバーレーンの間の緊張が高まっている。こうした中、ペルシア湾岸協力会議は声明を発表し、〔湾岸〕諸国の内政に干渉しないよう、イラン・イスラーム共和国に求めた。ペルシア湾岸協力会議はこれまで幾度となく、サウジアラビアの煽動によって、この手の声明を発表してきたが、イラン政府はそのたびに内政干渉との批判を否定、こうした指摘は根拠のないものだとの認識を示してきた。
先週木曜日、非同盟運動首脳会議の開会式でのエジプト大統領の演説をペルシア語に同時通訳していた通訳が、同演説の一部の箇所で「シリア」と訳すべきところを「バーレーン」と訳した〔※ムルスィー大統領は演説の中で、民衆を弾圧しているとして、シリアを強く非難していた〕。こうしたことに、バーレーン外務省は土曜日、駐マナーマのイラン代理大使を〔本省に〕呼び、抗議文書を同氏に手交、さらに同国に対する内政干渉を理由に、イラン政府に謝罪を要求した。これに対し、イラン国営放送のエッザトッラー・ザルガーミー総裁は、シリアと訳すべきところをバーレーンと訳したのは、通訳の言い間違いだと述べている。
イランとバーレーンの関係は、バーレーンを支配するスンナ派王家に対する昨年の民衆による抗議運動を受け悪化、またイランとサウジアラビアもバーレーン問題をめぐって対立を深めている。最近、バーレーンはイラン政府の行動への抗議として自国に呼び戻していた大使を帰任させたが、イラン・イスラーム共和国の側は、自国の大使をマナーマに帰任させる予定はないと表明している。
AFP通信の報道によると、ペルシア湾岸協力会議は声明の中で、湾岸諸国に対する内政干渉は慎むようイランに要求、さらにシリアに対しては市民への砲弾の使用を控えるよう求めている。〔‥‥〕
ペルシア湾岸協力会議加盟国の外相らが発表した声明は最後に、「テヘランで開かれた第16回非同盟運動会議でのムハンマド・ムルスィー・エジプト大統領の演説のペルシア語訳を歪曲し、捏造するという無責任な行為を非難する」旨を表明している。
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(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27527 )