フランス歴史教科書に偽造文書―「アルメニア人虐殺」記述
2012年09月05日付 Zaman 紙


フランスの中学校の歴史教科書にアルメニア人虐殺に関する記述が2ページに渡り掲載されていたことで、フランス・トルコ間の関係に新たな緊張が走った。

在フランストルコ大使館は、フランスの外務省と国民教育省に対し、虐殺に関する主張が学術的に証明されたものとして記載された2ページの訂正要請をする公式書簡を送った。 さらに、タラト・パシャのものであると主張されている偽造電報が使用されたことを批判した。トルコの反発を引き起こした2ページに渡る箇所は、元仏大統領のニコラ・サルコジが政権を握っていた2008年に、歴史教科書の再編目的で承認されていた。在フランストルコ大使館の書簡では、今年実現した内容変更が両国の間で嫌悪感を促したことが想起された。また同大使館が教育省に送った書簡には、同件に関する歴史的研究に言及した詳細な報告が書かれている。書簡ではさらに、 HachetteとHatier出版社により出版された2冊の歴史教科書に、偽造文書と出処不明なアルメニア人活動家が出典に使われていたことが注目された。

授業の題目として使用される箇所が2ページ続いた後、学生への問題として「アルメニア人は何故虐殺されたのか」「虐殺はどのような方法で行われたのか、地図を見て解答せよ」などの問いが見られる。在フランストルコ大使館は、トルコ系フランス人学生がこの内容変更により悪影響を受けると強調した。アラム・アンドンヤン氏が 「ナイム氏の回想録:アルメニア人の強制移住と虐殺に関する公式トルコ文書」と題した本の中に記載されている、タラト・パシャのものであると言われている電報が教科書の出典として使われている。しかし電報で使用されている署名、日付、誤字からエリク・ジャン・チュルヒャー氏、アンドリュー・マンゴ氏、グンサー・レビー氏などの歴史家が文書は偽造されたものであり、いかなる学術研究においても使用することは不可能であると主張している。シナシ・オレル氏とシュレイヤ・ユイジャ氏が1986年に行った研究では、オスマン系アルメニア人のアンドンヤン氏が1920年にロンドンで発表した文書は、タラト・パシャの名で自身が書いたものであると主張していた。


■仏教育省:虐殺を2001年に認定した

フランス教育省は、歴史教科書の内容変更に関しザマン紙に行った発表で、フランスは2001年に1915年の事件を公式に「虐殺」として認定し、同問題が歴史教科書に記述されるのは当然であると強調した。発表では、「第一次世界大戦において、戦争が市民に破壊的な影響を与えたことを示す目的で、ヴェルダンの戦いとアルメニア市民虐殺をモデルとして選択した」と述べられた。学校の教科書は、各分野の専門学者と編集者によってのみ作成されていることに触れ、学術的正確さと全ての見解に細心の注意を払う努力はなされているとした。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:27533 )