アフヨンカラヒサルで軍兵器庫爆発、25人死亡
2012年09月06日付 Hurriyet 紙


アフヨンカラヒサルにある兵舎の貯蔵庫で、手榴弾を仕分け中に爆発が起こった。爆発では、下士官2人、監督専門官2人、兵士21人を含む軍人25人が殉死 した。4人の兵士を含む8人が重症を負った。トルコ軍は、「アフヨンカラヒサルにおける兵器庫司令部において、手榴弾を貯蔵している弾薬庫での作業中に、原因不明の爆発が起こり、軍人25人が殉職した」と発表した。

■トルコ軍の発表

参謀本部は、公式サイトで、「2012年9月5日21:15頃に、アフヨンカラヒサルで陸軍ロジスティクス司令部の管轄下にある兵器庫司令部において、手 榴弾を貯蔵している弾薬庫での作業中に原因不明の爆発が起こり、軍人25人が殉職し、4人が軽傷を負った。事件に関し、行政及び司法捜査が始まった。 今回の惨事により命を失った殉職者たちの冥福を祈るとともに、御家族の皆様及び職場の皆様にお悔やみを、負傷者の皆様に早期回復をお祈りいたし ます」と発表した。

■軍人25人が殉職、4人が負傷

トルコに激震を走らせた爆発は、アフヨンカラヒサルで、昨日21:15頃に起こった。アタキョイの第500要塞主要庫司令部の故専任軍曹メテ・サラチ兵舎の弾薬庫で、一般兵卒、兵長、下士官及び将校が、4~5日かけて弾薬を仕分けしていた。しかし、この仕分け作業の途中で1つの手榴弾が爆発すると、爆発が続いた。市 街地に近い兵舎で起こった爆発は、周辺で地震の恐怖を生んだ。アフヨン住民は、屋外へ飛び出した。多くの家で窓が割れた。兵舎近くの家は、空にされた。街は停電に なった。しかし、悲劇の痕跡は、日が昇ってから明らかになった。数を数えていたグループの将校を含む25人の兵士が殉職していた。

■殉死者の遺体はアンカラへ搬送

アフヨンカラヒサルにある専任軍曹メテ・サラチュ兵舎で起こった爆発で殉職した25人の兵士の、周辺から集められた遺体の一部は、DNA鑑定のために救急車でアンカラへ送られた。

兵舎の32番の兵器庫で起こった爆発で殉職した兵士たちの遺体は、約90%を集め終え、救急車でアンカラへ搬送された。バラバラになった遺体は、袋に入れて集められた。爆発を知らされた後、兵舎の前に集められた殉職者の家族が、アフヨンカラヒサル市立病院でDNAのサンプルを取り終えた。DNA鑑定のため に、家族から毛と染色体のサンプルが取られた。

■負傷した兵士が、現場の状況について話した

アフヨンカラヒサルの弾薬庫で起こった爆発で負傷し、アフヨン市立病院で治療を受けている兵士が、当時の状況について話した。ヴェイセル・エルオール大臣の訪問を受けた負傷した兵士は、「私は爆発が起こった場所から100メートルのところにいました。2回爆発が起こりました。歩哨地点で当番をしていました。最初の 爆発後に少し動きました。2回目の爆発の勢いで飛ばされました。右腕を負傷しただけですが」と話した。


■コジャテペで火事

爆発後、周りに飛び散った閃光により、約1キロの距離で大きな爆発が起こったコジャテペの裏手で火事が起こった。爆発後、現場に多くの消防士や救急隊員が 送り込まれた。爆発後、弾薬庫にある弾薬や手榴弾が周辺に散乱していたことで、消防や救急隊は兵舎へ入ることができなかった。

■爆弾処理班が駆けつけた

手榴弾の処理のために、爆弾処理班が現場へ送り込まれた。新たな爆発の可能性に備え、現場は保安隊により非常線を張られた。爆弾後に起こった火事は、数キロメートルの範囲に拡大した。火事が起こった場所の近くに他の弾薬庫があることから、消火作業はこのエリアを中心に行われた。消防隊は、爆発の危険性が あったことから、火事の拡大を防ぐことで精一杯だった。

爆発で負傷した兵士のハサン・ボンジュク、ファーティフ・ツナ、ソネル・ギュレチユズ、ファーティフ・ユクセルと民間人のエムラ・ウルフェル、ケヴセル・ ダルクルチ、セヴィライ・チュルクは、アフヨン国立病院で治療を受けている。負傷者のうち、ウルフェル、ダルクルチ、チュルクも、治療後退院した。何か所も傷を負った兵士のムスタファ・ドゥルマズ及びラマザン・ユルマズは、救急隊員によりアフヨンカラヒサル国立病院へ搬送された。

イルファン・バルカンルオール・アフヨンカラヒサル県知事、公正発展党(AKP)所属のブルハネッティン・チョバン市長、軍幹部が現場に駆けつけた。


■次々に爆発

21:15に起こった1度目の爆発の15分後、2度目の爆発が起こった。爆発後に起こった火事が継続する中、弾薬庫の爆発により、消火活動ができなかった。

23:00頃、レジェップ・タイイプ・エルドアン首相は、爆発について、ネジデト・オゼル参謀総長及びイルファン・バルカンルオール・アフヨンカラヒサル 県知事から報告を受けた。バルカンルオール知事は、書面の発表で、爆発がテロやサボタージュによるものではなく、事故であると発表した。

ソーシャル・メディアで、病院に搬送された兵士たちに血液が必要であるとの書き込みから、数百人がアフヨンカラヒサル国立病院に押し寄せた。病院前で行列ができたが、バルカンルオール知事は血液の需要はないと通報した。

■兵士の家族は、兵舎へ飛んで行った

爆発があったことを知ると、兵舎で任務に就いていた兵士の親戚が、アフヨンカラヒサルへ押し寄せた。多くの親戚が、兵士である息子たちから知らせを受けるため、玄関で中からの情報を涙を流しながら待ち始めた。

アフヨンカラヒサル保健局は、兵舎で親戚と連絡が取れない人や兵士に会うために街に来た親戚のためにテントを張った。夜中にアフヨンカラヒサルに来て、任務中で連絡が取れない親戚をテントに収容し、落ち着かせた。

■居住区は被害を避けることができた

陸軍ロジスティック司令部の管轄下にある第500要塞主要庫司令部故専任軍曹メテ・サラチュ兵舎は、アフヨンカラヒサルの中心地から5キロの場所にある。大きな爆発が 起こったコジェテペから20キロ離れているこの兵舎は、市部に属する3500名の住民を擁するアタキョイ地区と1500名の住民が住むクシュラジュク村の中間に位置する。クシュラジュクにより近い兵舎は、コジャテペの裏手に位置する。爆発及び直後に起こった火事の後、クシュラジュク村の住民は退去し、同地域の電 力供給は停止された。

■イグロタイプの弾薬庫

爆発物の倉庫は、簡単な造り、イグロタイプ(上が土で覆われるタイプ)、分厚い壁で丈夫な倉庫と、3つに分類される。真ん中の種類に分類されるイグロタイプの弾薬庫は、互いに独立して作られている。爆発の危険性がある倉庫では、認証及び消火システムが配備されている。

爆発が起こった兵舎では、30の弾薬庫と5台の車両と燃料庫を始め、35のイグロタイプの貯蔵庫がある。爆発及び火事が、2番の弾薬庫から起こったこと、また、爆発後に倉庫が廃墟と化したこととが発表された。

■家屋から退去

現場周辺に散らばった手榴弾について、住民たちへ注意喚起したエルオール大臣は、「住民の方々も十分気をつけていただきたい。見つけた場合には、絶対に触れず、警察関係者に通報してください」と述べた。

新たな爆発は起こらない、そのような危険性はないと強調するエルオール大臣は、「爆弾処理が行われています。次に爆発が起こる危険性はありません。爆弾処理 の専門家たちが、周辺に散らばった手榴弾を回収しています。軍の専門家全員が現場で働いています。爆弾は、弾薬庫の約300~500メートルま で散らばった状態です。周辺に住む住民たちは、家にひび割れがあるはずです。現在、現場周辺地域は、退去が行われました。爆弾処理が終わるまで帰宅は許可されません。これらの住民の被害は保障します」と話した。

■恐怖を体験した村人たちが語った

弾薬庫での爆発は、アタキョイ地区全体に影響を与えた。日没後の礼拝のためにモスクへ出かけていた人たちは、爆発と共にお祈りを止め、外へ避難した。村人たちは、その時の恐怖について、以下のように話した。

*サリム・オズ:アッラーよ、お咎めをしないでください。爆音が聞こえてきたので、お祈りなど止めて、外へ避難しました。モスクの窓や枠は壊れていました。何が起きたのか分かりませんでした。

*ゲヴヘル・コチ:子供が入学試験に合格しました。メヴリット(預言者ムハンマドの誕生と一生をしるした詩編)を詠むために、親戚が家に集まっていまし た。今までこのような騒音を聞いたことがありません。みんな子供たちを連れて外へ避難しました。家が崩れ落ちているのだと思ったのです。家の屋根に は、岩が落ちてきました。

*メフメト・チュルク:揺れとともにものすごい炎が燃え上がっていました。キノコのように空に向かって燃え上がっていたのです。周りは黒い煙で覆われていました。すぐに外へ避難し、現場から離れました。

*ムスタファ・ギョク:畑に穴があきました。このことには、朝気づきました。ここは、爆発が起こった場所から1キロほどのところにあります。他の場所でも起こる可能性があります。大きな爆発の直後に起こりました。雨が降るように破片が降ってきました。

*イスマイル・サル:まるで世界の終わりが来たような気がしました。あの音を言葉で表現するのは不可能です。軍事施設にミサイルか原爆が投下されたと思いました。村は暗闇になりました。火薬の臭いがしました。家の窓が割れました。

*ムザッフェル・タン:地震が起きたかのような揺れでした。3階の自宅で、右往左往しました。家の屋根には、石や鉄くずや爆弾があります。


■エルドアン首相、オゼル参謀総長に電話

タイイプ・エルドアン首相は、夜中にネジデト・オゼル参謀総長及びイルファン・バルカンルオール・アフヨン県知事と話し、爆発について、報告を受けた。


■エルオール:爆発は起こる可能性がある

ヴェイセル・エルオール森林及び水大臣は、事件に関し、以下の発表を行った。

8人の負傷者がいる。大変痛ましいことだ。ある評価を行った。このことを皆さんに伝えたい。現場周辺では、爆発の影響で多くの手榴弾が散在している状 況である。特派員が手榴弾を持って歩いているのを見かけた。とても痛ましい。この地域に国民は誰も入るべきではない。専門家グループが対応してる。

散乱した手榴弾は、検査しながら、爆発させる。皆さんは心配しないでください。徐々に現場周辺に散在している手榴弾は爆弾処理される。

夜中に火事が起こった。消防隊員はここにいたが、現場周辺に弾薬が飛び散ったため、中には入れなかった。

ここに、多大なショックを受けた被害者の親戚がいる。災いは降り掛かった場所に影響するものである。御冥福をお祈りする。

首相はアフヨンに来るのか?

いいえ、来ない。ここでできることはないので。現時点では、首相や参謀総長に来ていただく必要性はないし。既にここにいる関係者が対応しているので。

イグロタイプの弾薬庫や手榴弾がある弾薬庫で点検している最中に手榴弾が事故で爆発したことにより、残念ながら大きな爆発が起こり、その後火災が発生した。

下士官2人、専門官2人、上等兵21人を含む残念ながら合計25人の殉職者がでた。事故の原因を調査しているが、完全に事故である。手榴弾が床に落ちたこと で起こった爆発。パキスタンやインドでも同様の事件が起こったことがある。痛ましい事件であり、事故により起こった出来事である。

皆さん、気をつけてください。手榴弾を見つけたときには、気をつける必要がある。これらの手榴弾は爆破処理される。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:27541 )