エルドアン首相「不本意だが、戦争から遠くにはいない」
2012年10月05日付 Radikal 紙
エルドアン首相は(国会からの)「派兵許可」プロセスで何度も発言した「戦争のためではない。抑止力のためである」という強調に一言付け加えた。「しかし、我々は戦争からも遠くにはいない…」
タイイプ・エルドアン首相は、エセンレルの空港周辺で都市再生プロジェクトのために行われた式典で、「我々は戦争から遠くにはいない」と述べた。式典で行ったスピーチで、シリアに関し言及したエルドアン首相は、「我々は決して戦争がしたいわけではない。しかし、我々は戦争から遠くにはいない。国に平和、世界に平和(というアタテュルクの言葉)は、平和が支配的な場所においてこそ、実現する」と述べた。
エルドアン首相は、まず犠牲者に神の祝福を、遺族に哀悼の意を表した。「アクチャカレ郡(シャンルウルファ県)で、シリアによる砲弾により命を落とした2人の母親とその3人の子供たちのご冥福を心からお祈りいたします。また、ご遺族の方々に謹んでお悔やみ申し上げます。負傷された方々の一日も早いご回復を神に願っております」と述べ、次のように続けた。
「お亡くなりになった方々に私たちは心を痛めている。我が国になされたこの攻撃を黙って見過ごすわけにはいかなった。返答した。私たちは、国連やNATOをはじめ、関係する国際機構の支援をうけ行動を起こし、私たちが正しいことを全世界に示し、支持を得てきた。軍用機が墜落させられて以来、私たちは警告し続けてきた。また、再び(事件が)起これば報復することを何度も明らかにしてきた。この地で一度、砲弾が発射され、空き地に着弾した。警告をした。2回、3回着弾した。4回、5回、6回、7回着弾した。いずれも無人地への着弾だったため、外交文書で抗議するにとどめた。しかし、5人の国民が犠牲になったことは抗議文だけで済むものではもちろんない。私たちは今回、彼らも後悔するようにと、報復を行った。私たちは我が国の威信を傷つけるような行為に対し、何もしないで黙っていることはなかったし、これからもない。次のことを心から述べたいと思う。私たちは決して戦争を望んでいるわけではない。しかし、不本意ながら、私たちは戦争から遠くにはいない。この民族は、大陸間の戦争を経験し、戦いながら今日までやって来た。ある人々(注)は私たちに「国に平和、世界に平和」と言う。「国に平和、世界に平和」は、平和が支配的な場所においてこそ、実現する。しかし、我々の命や血が踏みにじられた場所で、平和を語ることができない。」
【訳者注】「国に平和、世界に平和」というアタテュルクの言葉を掲げて、国会で、シリアへの派兵許可に反対した共和人民党をさしている。
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( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:27789 )