ハーメネイー最高指導者、新たな「生活スタイル」構築の必要性を強調
2012年10月15日付 Jam-e Jam 紙
イスラーム革命最高指導者は昨日、熱気にあふれた北ホラーサーン州の大学生や生徒たち、及びその他の若者たち数千名の前で、真の進歩を成し遂げ、新たなイスラーム文明を建設するためには、「生活スタイル」の領域に踏み込むことが必要だとの認識を示し、エリートたちや思想家らに対し、「この重要な問題に注意を払い、現在のイランにおける生活スタイルの問題点を分析し、その対策を練る」よう呼びかけた。同師はその上で、「イスラーム文明にとって道具的な側面をなしている科学や産業、経済、政治における進歩は、正しい生活スタイルや文化を手に入れ、〔心の〕平穏や安全を獲得し、真の高み・進歩に到達するための手段なのである」と強調した。
〔‥‥〕
革命最高指導者は生活スタイルの重要性について説明するために、それが新たなイスラーム文明において占める意味について詳述し、次のように述べた。「もし全面的進歩というものを、新たなイスラーム文明の建設という意味として捉えるならば、この文明には《道具的な》領域と《基礎にあたる本質的な》領域の、二つの領域があると言えるだろう。生活スタイルというのは後者、つまり新たな文明の《本質的な》領域を構成するのである」。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は新たなイスラーム文明では、この二つの領域のいずれをも実現させることが必要だと指摘し、「この文明の道具的領域、あるいはハードウェアとは、現在の状況に当てはめてみるならば、科学や発明、経済、政治、国際的信用といった進歩の外観のことだと言うことができるだろう」と述べた。
同師はその上で、「この領域について言えば、われわれはなかなかの進歩を遂げてきた。しかし、この領域での進歩は、〔新たに建設されるべき〕イスラーム文明の本質的な領域、あるいはソフトウェア、すなわち〔新たな〕生活スタイルや方法を手に入れるための手段ないし道具に過ぎないのである」と指摘した。
イスラーム革命最高指導者は生活スタイル・文化という概念について詳述する中で、
家庭、
結婚、住宅の種類、
服装の種類、
消費モデル、
娯楽、仕事や商売、さまざまな場面における個人的・社会的行動などの問題に言及し、「実際、生活スタイルの問題は、人間の生活の基本部分を構成するあらゆる領域に通じるのだ」と続けた。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、イスラームが生活スタイル・文化という概念に深い関心を寄せていることに触れ、〔‥‥〕新たなイスラーム文明建設の本質的領域、すなわち《生活スタイル・文化》の進歩が蔑ろにされるならば、この偉大なる文明の目的は達成されないだろうと強調した上で、「残念なことに、われわれはこの領域では、これといって華々しい進歩を遂げてはいない。第一の領域、つまり科学や産業といった領域のようには、進歩していないのである」と続けた。
イスラーム革命最高指導者はその上で、問題を分析し、生活のスタイルや文化という領域で十分な進歩が達成されていないことの原因を究明することが必要だとし、思想家や大学、政治的・思想的指導者たち、文化や教育に関わる関係機関、及び若者たちに向けて、「この問題について、全員が問題分析し、対策と治療方法を模索するべきである」と指摘した。
〔‥‥〕
同師は生活スタイル・方法が形成される具体的様相について描写する中で、「生活文化は、われわれの生活に対する解釈に影響される。いかなる目的を生活に定めるかによって、それぞれの生活スタイルがもたらされるのである」と述べた。
同師はどんな政治的・社会的・経済的イデオロギー/理論であれ、そこで想定された基本的目的を実現させるためには、その目的に対する信仰というものが必要だと指摘し、「真剣な信仰や努力というものがなければ、どのような目標も実現されない」と続けた。
革命最高指導者はこの点について、一部の西洋のエセ哲学者と、イラン国内におけるその追従者たちが弄している詭弁について触れ、次のように述べた。
こうした者たちは、イデオロギーでは社会を運営することはできないなどと言っている。しかし文明建設に関わるあらゆる経験が示すように、イデオロギーは偉大なる社会運動を導き、運営する導き手なのであり、イデオロギーなくして、また信仰と努力、そして必要とされる犠牲なくして、いかなる文明も実現不可能なのである。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は続けて、次のように述べた。
もちろん、特定のイデオロギーへの信仰をもたずに、西洋文明を模倣するだけの国というのも、一部にはある。こうした国も、表面的な進歩を遂げることは可能だろう。しかし模倣という屈辱からくる際限なき害悪は彼らに深刻な災いを与え、彼らから根を奪い去ってしまう。そのためちょっとした嵐が起きても、それに持ちこたえることはできなくなってしまうのである。
革命最高指導者はさらに、「こうした模倣国家とは異なり、西洋文明に抗して唯一神イデオロギーを選択した諸国民は、全面的で真の進歩を手に入れるだろう。そして深く根を張った文明を建設し、その思考および文化を世界に広めるだろう」と指摘した。
■ 彼らは自らの恐怖と妄想を人々に伝染させようとしている
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、エセ知識人的な雰囲気を漂わせて、イラン国民がイデオロギー的スローガンを怖がるよう仕向けている者たちを批判した上で、「彼らは自らの恐怖と妄想を人々に伝染させようとしている。彼らがいつも、イデオロギー的なスローガンが〔イランに〕頭痛の種と制裁、そして〔外国からの〕脅威をもたらしている、などと言っているのは、そのためなのだ」と述べ、さらに「こうした主張を好意的に見たとしても、こうした連中は歴史というものを知らないのだと言わざるを得ない」と続けた。
〔‥‥〕
同師はまた、「われわれは反西洋主義を唱えるつもりはないが、しかし研究の結果として、次のことは強調しておかなければならない。すなわち、西洋を模倣しても、〔世界の〕いかなる国民にとっても得るものは何もない、ということである」と指摘した。
■ 西洋文化は侵略的文化
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はここ数世紀の間繰り返されてきた経験を根拠として、「西洋文化は、基本的に侵略的文化である。どんな理由であれ、またどの国にであれ、それが広まると、その国の文化やアイデンティティは徐々に破壊されてしまうのだ」と指摘した。
同師は、西洋において同性愛という大いなる罪が一般化されていることや、西洋諸国や西洋文化を模倣している国々で家庭が崩壊し、その他さまざまな深刻な問題・危機が生じていることについて触れ、「西洋文化は、その表面には皮相な進歩の衣をまとってはいるが、しかしその内側には、物質的かつ肉欲的で、罪深く、人々のアイデンティティを破壊してしまうような、反精神的生活スタイルが巣くっているのである」と続けた。
〔‥‥〕
革命最高指導者はこれまでの研究に依拠する形で、次のように述べた。
彼ら〔=西洋諸国〕はさまざまなプロジェクトを立て、社会学者、心理学者、歴史家などを活用して、諸国民、特にイスラーム諸国の国民たちの弱点を研究し、彼らを支配するための方法を見つけては、映画制作者にそのための特別な映画を作るよう、注文を出している。このことについて、国の責任者も人民も、ともに自らの、そして国の真の文化に気を配っておくことが肝要だ。
同師はまた、「表面的な事柄をありがたがり、〔その内面では思考が〕硬直化している」ような在り方、および世俗主義の二つをともに遠ざけることが必要だとし、「表面的には宗教的だが、その実生活から宗教を切り離そうとするような議論・プロパガンダを喧伝する者がいる」と注意を促した。
〔‥‥〕
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27917 )